Web Syllabus(講義概要)
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森林生態学
英文名Forest Ecology
科目概要グリーン環境創成科学科3年前期 [火曜日3時限]、3群科目、選択、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎馬場 光久
講義室

授業の目的

水田や畑地、草地などの農耕地生態系と異なり、施肥をすることのない森林生態系においては大気由来の物質の沈着や土壌中の鉱物の化学的風化が養分供給の上で重要である。また森林は傾斜地に立地していることから、斜面の位置による水分状況によって落葉の分解速度が異なり、これが林木の生育に影響している。一方で、水源涵養林に指定されていることの多い森林生態系における物質循環は流出する水の質に影響する。森林生態学ではこうした森林生態系における物質循環が林木の生育や森林を含めた様々な生態系に影響することを理解する。

教育内容

森林生態系における物質循環は、系内における養分の吸収、同化、さらには落葉の分解により土壌に供給される内部循環、大気沈着による養分供給および渓流水に伴う養分流出からなる外部循環に大別される。森林生態学では森林生態系における物質循環の各過程について講義する。さらに物質循環の相違が林木の生育に与える影響や大気沈着による物質の負荷が森林生態系の物質循環にどのように影響するのかについて講義する。

教育方法

板書を中心に講義を進めるが,具体的な画像の方が理解しやすいと判断されるときには,パワーポイントを利用して理解を深めるようにする。出席確認用に配布する用紙に記入された質問について授業の中で回答することで、中間試験の採点結果の概要を報告することで,フィードバックする。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

  1. グリーン創成科学の理解、豊かな教養と高い倫理観の修得
〇 2. 生物多様性の重要性を理解し、その維持や回復に貢献できる能力
◎ 3. 食料生産が生態系に与える影響を理解し、生産力の向上と持続性の両立に貢献できる能力
◎ 4. 地球環境における物質循環を理解し、環境汚染の修復に貢献できる能力
  5. 植物や微生物の生物機能の開発に関する技術を理解し、カーボンニュートラルと環境負荷低減の技術開発に貢献できる能力

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1地球環境における森林森林が成立する環境について概説する馬場 光久
2森林生態系の物質生産⓵森林生態系の中での土壌について概説する
3森林生態系の物質生産⓶森林生態系における物質生産機構について概説する
4森林生態系の物質生産③森林土壌の性質と林木の生長との関連について講義する
5森林生態系における物質循環⓵窒素をはじめとして様々な元素の森林生態系における循環について概説する
6森林生態系における物質循環⓶森林生態系への物質の供給について講義する
7森林生態系における物質循環③樹木による養分吸収量やリターフォールに伴う養分の移動量などについて講義する
8森林生態系における物質循環④森林土壌における物質の集積について講義する
9森林生態系における物質循環⑤落葉の分解過程や体積腐植層の体積様式の相違について講義する
10森林生態系における物質循環⑥落葉の分解過程における物質の含有率の変化やそれに影響する因子について講義する
11各種の森林生態系における物質循環⓵植生遷移と物質循環との関わりについて講義する
12各種の森林生態系における物質循環⓶熱帯雨林における物質循環の特徴に基づいて保護の必要性について講義する
13森林生態系における物質循環に対する施業の影響人工林における施業と物質循環との関わりについて講義する
14温暖化と森林生態系における物質循環各種の森林生態系における物質循環との関わりについて講義する
15まとめ森林生態系における物質循環について総括する
No. 1
項目
地球環境における森林
内容
森林が成立する環境について概説する
担当者
馬場 光久
No. 2
項目
森林生態系の物質生産⓵
内容
森林生態系の中での土壌について概説する
担当者
No. 3
項目
森林生態系の物質生産⓶
内容
森林生態系における物質生産機構について概説する
担当者
No. 4
項目
森林生態系の物質生産③
内容
森林土壌の性質と林木の生長との関連について講義する
担当者
No. 5
項目
森林生態系における物質循環⓵
内容
窒素をはじめとして様々な元素の森林生態系における循環について概説する
担当者
No. 6
項目
森林生態系における物質循環⓶
内容
森林生態系への物質の供給について講義する
担当者
No. 7
項目
森林生態系における物質循環③
内容
樹木による養分吸収量やリターフォールに伴う養分の移動量などについて講義する
担当者
No. 8
項目
森林生態系における物質循環④
内容
森林土壌における物質の集積について講義する
担当者
No. 9
項目
森林生態系における物質循環⑤
内容
落葉の分解過程や体積腐植層の体積様式の相違について講義する
担当者
No. 10
項目
森林生態系における物質循環⑥
内容
落葉の分解過程における物質の含有率の変化やそれに影響する因子について講義する
担当者
No. 11
項目
各種の森林生態系における物質循環⓵
内容
植生遷移と物質循環との関わりについて講義する
担当者
No. 12
項目
各種の森林生態系における物質循環⓶
内容
熱帯雨林における物質循環の特徴に基づいて保護の必要性について講義する
担当者
No. 13
項目
森林生態系における物質循環に対する施業の影響
内容
人工林における施業と物質循環との関わりについて講義する
担当者
No. 14
項目
温暖化と森林生態系における物質循環
内容
各種の森林生態系における物質循環との関わりについて講義する
担当者
No. 15
項目
まとめ
内容
森林生態系における物質循環について総括する
担当者

到達目標

1.森林生態系における物質循環の特徴について説明できる
2.落葉の分解速度に影響する因子について説明できる
3.森林生態系における物質循環対する大気沈着の影響について説明できる

評価方法

講義の中で1回中間試験を実施する(20点)。最終試験においては講義の後半の内容を中心に到達目標を考慮した試験を実施する(80点)。なお、欠席は1回につき3点減点する。

準備学習(予習・復習等)

2回目以降の講義資料を事前に配布します。この資料には引用文献を明記していますので、事前に資料に目を通して質問などを考えておいてください(準備学習)。中間試験や採集試験に向けて講義内容を整理しておいてください(復習)。

その他注意事等

(なし)

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書(なし)
参考書森林生態学石井弘明・徳地直子・榎木 勉・名波 哲・廣部 宋(編)朝倉書店
参考書森林生態学 持続可能な管理の基礎藤森隆郎全国林業改良普及協会
参考書熱帯土壌学久馬一剛名古屋大学出版会
教科書
署名
著者・編者
発行所
参考書
署名
森林生態学
著者・編者
石井弘明・徳地直子・榎木 勉・名波 哲・廣部 宋(編)
発行所
朝倉書店
参考書
署名
森林生態学 持続可能な管理の基礎
著者・編者
藤森隆郎
発行所
全国林業改良普及協会
参考書
署名
熱帯土壌学
著者・編者
久馬一剛
発行所
名古屋大学出版会