Web Syllabus(講義概要)
トップへ戻る 前のページへ戻る
生物統計学
英文名Biological Statistics
科目概要獣医学科2年後期 [木曜日1時限(週1コマ)]、2群科目、必修、講義、1単位(15時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎武田 一貴
講義室B31講義室
備考科目ナンバリング:VV201-VB22

授業の目的

卒業研究等で適切な統計手法を選択し実験・臨床データを解析する能力及び、卒業研究及び獣医師としての職務で読解する学術論文内で実施されている統計解析が適切かを判断する能力の修得。

教育内容

現代の生命科学・獣医学分野においてほぼ全ての研究で実験結果の信憑性を担保するために統計解析が用いられています。本学科でも全学生が卒業研究を実施し卒業論文を提出しますが、この際に正しく統計解析を実施する能力を身に付けている必要があります。また、卒業研究や卒後に獣医師として臨床~研究職として勤務する際には学術論文等から実験データを読解し自身の知識とする必要がありますが、残念ながら不適切な統計手法により誤った結論を記載している論文も少なくありません。これに対し獣医師というプロフェッショナルとして記載内容を鵜吞みにするのではなく、批判的思考で論文を読解する際にも統計学的知識が必要です。そこで、本講義では生命科学分野において必要な統計学の基礎理論及び、仮説検定を中心とした各種統計解析手法と基本的な使用法を身に付けるための講義と演習を実施します。

教育方法

パワーポイントプレゼンテーションを用いた講義形式を基本とします。また、実践的な知識・技術の習得を目指し受講者各自のノートパソコンを用いてデータ分析、統計解析を演習する回もあります。
小テストの回答・レポートの内容に対して都度解説を実施し理解度の向上を目指します。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

◎ DP1:生命科学の理解と高い教養及び倫理観の習得
◯ DP2:動物の病気の診断・治療・予防に関する知識と実践能力
◎ DP4:医薬品の開発に寄与する能力

授業内容(シラバス)

項目内容
1統計学概論 ~君たちはなぜ統計学を学ぶか~統計学的なものの考え方、生物統計学の概観
2検定と推定とは、仮説検定の基本標本抽出法、仮説検定の基礎理論、検定における過誤
3データの分類・確率分布・基本統計量データの種類とその性質、数学的な確率分布、基本統計量(平均値、標準偏差、標準誤差、変動係数等)
4統計的推測・2群間の差の検定点推定、区間推定による信頼区間の求め方、対応のあるt検定、スチューデントのt検定、ウェルチのt検定、等分散検定
5データ記述の方法度数分布表とヒストグラム、散布図、相関と回帰
6計算演習Microsoft Excel及び統計解析ソフトウェアJMPを用いたデータ解析(PC必要)
7計数値の取扱い計数値の意味、適合度検定、カイ二乗検定、マクネマー検定
8多群の平均値の差の検定一元配置分散分析法、反復測定分散分析法、多群の等分散検定
9多重比較多重性の問題と多重比較の意義、多重比較法の基礎、テューキー法
10ノンパラメトリック法U検定、符号付順位検定、順位相関係数
11計算演習多群検定、ノンパラメトリック検定のデータ解析(PC必要)
12機械学習の基礎機械学習、AIとは(回帰と分類)
13機械学習の演習JMPを用いた機械学習(決定木等)の基礎演習(PC必要)
14データ解析演習練習問題を用いた計算演習、レポート作成
15計算演習とまとめ練習問題を用いた計算演習、まとめ
No. 1
項目
統計学概論 ~君たちはなぜ統計学を学ぶか~
内容
統計学的なものの考え方、生物統計学の概観
No. 2
項目
検定と推定とは、仮説検定の基本
内容
標本抽出法、仮説検定の基礎理論、検定における過誤
No. 3
項目
データの分類・確率分布・基本統計量
内容
データの種類とその性質、数学的な確率分布、基本統計量(平均値、標準偏差、標準誤差、変動係数等)
No. 4
項目
統計的推測・2群間の差の検定
内容
点推定、区間推定による信頼区間の求め方、対応のあるt検定、スチューデントのt検定、ウェルチのt検定、等分散検定
No. 5
項目
データ記述の方法
内容
度数分布表とヒストグラム、散布図、相関と回帰
No. 6
項目
計算演習
内容
Microsoft Excel及び統計解析ソフトウェアJMPを用いたデータ解析(PC必要)
No. 7
項目
計数値の取扱い
内容
計数値の意味、適合度検定、カイ二乗検定、マクネマー検定
No. 8
項目
多群の平均値の差の検定
内容
一元配置分散分析法、反復測定分散分析法、多群の等分散検定
No. 9
項目
多重比較
内容
多重性の問題と多重比較の意義、多重比較法の基礎、テューキー法
No. 10
項目
ノンパラメトリック法
内容
U検定、符号付順位検定、順位相関係数
No. 11
項目
計算演習
内容
多群検定、ノンパラメトリック検定のデータ解析(PC必要)
No. 12
項目
機械学習の基礎
内容
機械学習、AIとは(回帰と分類)
No. 13
項目
機械学習の演習
内容
JMPを用いた機械学習(決定木等)の基礎演習(PC必要)
No. 14
項目
データ解析演習
内容
練習問題を用いた計算演習、レポート作成
No. 15
項目
計算演習とまとめ
内容
練習問題を用いた計算演習、まとめ

到達目標

1.生命科学におけるデータの特質と統計処理の必要性を理解できる。
2.データに変動を生ずる要因を分類し、適切な検定方法を選択できる。
3.教科書等に記載の数式を見て、実際に計算を行い、統計計算をすることができる。
4.さまざまなデータに適用する統計処理方法を理解し、有意差検定をすることができる。

評価方法

各講義の冒頭に前回の内容の復習として小テストを実施します(20%)。また、PCを用いた統計解析を実施し結果をレポートとして提出してもらいます(20%)。これらと期末試験(筆記試験)(60%)の総合点で評価します。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
予習:SNSやマスメディアで見かける健康食品などライフサイエンスに関する広告・記事でデータがどのように扱われているか目に止めるよう意識してみてください。
復習:各講義の冒頭で前回のキーポイントに関する小テストを実施するのでこれに備え各回の要点を講義資料で復習してください。

その他注意事等

ノートPCでの解析を実施する回があるので各自のノートPCを使用できるよう準備してください。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書(なし)
参考書データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門
仮説検定から統計モデリングまで重要トピックを完全網羅
阿部真人ソシム
参考書JMPによるデータ分析 第3版―統計の基礎から多変量解析まで内田治
平野綾子
東京図書
教科書
署名
著者・編者
発行所
参考書
署名
データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門
仮説検定から統計モデリングまで重要トピックを完全網羅
著者・編者
阿部真人
発行所
ソシム
参考書
署名
JMPによるデータ分析 第3版―統計の基礎から多変量解析まで
著者・編者
内田治
平野綾子
発行所
東京図書