Web Syllabus(講義概要)
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基礎生態学
英文名Principles of Ecology
科目概要生物環境科学科1年後期 [(週1コマ)]、2群科目、必修、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎小泉 透 (※)髙田 隼人 (※)
講義室
備考科目ナンバリング:VE201-BS15
JABEE認定プログラム履修の手引き(表3・14)との関連D

教員免許取得のための必修科目

科目教科に関する科目(高等学校 農業)
施行規則に定める科目区分
  • 農業

授業の目的

生物は環境や生物同士で影響し合い、どのように進化してきたのか。前半の5回では「進化」「自然選択」などのトピックを取りあげながら、生態学の基礎を理解する。
私たちを取り巻く地球環境は大きく変化しつつある。後半の10回では「気候変動」「生物多様性」「持続可能な開発目標(SDGs)」などのトピックを取り上げながら、人間と環境の関係を考える基礎的な知識を理解する。

教育内容

前半5回は髙田、後半10回は小泉が担当する。高田は主に基礎的な内容、小泉は主に応用的な内容について講義を行う。

教育方法

髙田はパワーポイントによって講義を行い、スライドのコピーは講義の都度配布する。
小泉はパワーポイントによって講義を行う。予習と復習のためにインターネットで閲覧可能な資料を示す。講義のスライドのコピーは配布しない。受講時にメモまたはノートの作成を奨励する。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

〇DP1:豊かな人間性と高い倫理観
◎DP2:環境科学に関する理解と高度の知識・技能
 DP3:生態系機能の解明と理解を基盤に環境保全に貢献できる能力
〇DP4:環境資源の維持と修復に寄与する能力
◎DP5:環境保全に関わる社会の多様な要請に応えられる問題解決能力

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1進化と適応進化論、自然選択、適応度の概念を学ぶ髙田 隼人
2群れ生活群れるという動物行動を通して、適応度からみた利益とコストの概念を学ぶ髙田 隼人
3協力行動と血縁選択動物同士の協力行動がどのような条件で進化しうるのかを学ぶ髙田 隼人
4性選択と配偶システムオスとメスの戦略の違いとそこから生まれる多様な配偶システムについて学ぶ髙田 隼人
5進化研究の実例:有蹄類の社会構造進化研究の仮説検証の実例として、有蹄類の社会構造と生息環境の関係について学ぶ髙田 隼人
6気候変動を考える(1):気候変動の仕組みと地球温暖化の問題地球の気候変動のメカニズムを理解し、地球温暖化の問題点を理解する小泉 透
7気候変動を考える(2):地球温暖化に対処する考え方地球温暖化に対処する基本的な考え方、緩和策と適応策、を理解する小泉 透
8気候変動を考える(3):地球温暖化に対処する国際的な取り組み国連気候変動枠組み条約やIPCCの活動など地球温暖化に対処する国内外の取り組みを理解する小泉 透
9生物多様性を考える(1):生物多様性を保全するとは何か生物多様性の現状と生物多様性を保全するための科学としての生態学の役割を考える小泉 透
10生物多様性を考える(2):過度の開発の影響熱帯林の減少など過度の開発が生物多様性をおびやかす影響について理解する小泉 透
11生物多様性を考える(3):人口減少の影響人口減少や農耕地の放棄など自然に対する働きかけの縮小が生物多様性をおびやかす影響について理解する小泉 透
12生物多様性を考える(4):外来生物の影響国外から持ち込まれる生物や化学物質などが生物多様性をおびやかす影響を理解する小泉 透
13生物多様性を考える(5):ブラジルサミットからCOP15へ生物多様性条約やIPBESなど生物多様性の保全をめぐる国内外の取り組みを理解する小泉 透
14持続可能な社会にむけて:SDGsを考えるこれからの社会のあり方の国際的な目標となったSDGs(持続可能な開発目標)をめぐる国内外の動きと持続可能の意味について理解する。小泉 透
15まとめ:全体のまとめと補足講義全体を総括し基礎生態学の理解を深めるとともに、さらに生態学を学ぶために必要な知識について補足する。小泉 透
No. 1
項目
進化と適応
内容
進化論、自然選択、適応度の概念を学ぶ
担当者
髙田 隼人
No. 2
項目
群れ生活
内容
群れるという動物行動を通して、適応度からみた利益とコストの概念を学ぶ
担当者
髙田 隼人
No. 3
項目
協力行動と血縁選択
内容
動物同士の協力行動がどのような条件で進化しうるのかを学ぶ
担当者
髙田 隼人
No. 4
項目
性選択と配偶システム
内容
オスとメスの戦略の違いとそこから生まれる多様な配偶システムについて学ぶ
担当者
髙田 隼人
No. 5
項目
進化研究の実例:有蹄類の社会構造
内容
進化研究の仮説検証の実例として、有蹄類の社会構造と生息環境の関係について学ぶ
担当者
髙田 隼人
No. 6
項目
気候変動を考える(1):気候変動の仕組みと地球温暖化の問題
内容
地球の気候変動のメカニズムを理解し、地球温暖化の問題点を理解する
担当者
小泉 透
No. 7
項目
気候変動を考える(2):地球温暖化に対処する考え方
内容
地球温暖化に対処する基本的な考え方、緩和策と適応策、を理解する
担当者
小泉 透
No. 8
項目
気候変動を考える(3):地球温暖化に対処する国際的な取り組み
内容
国連気候変動枠組み条約やIPCCの活動など地球温暖化に対処する国内外の取り組みを理解する
担当者
小泉 透
No. 9
項目
生物多様性を考える(1):生物多様性を保全するとは何か
内容
生物多様性の現状と生物多様性を保全するための科学としての生態学の役割を考える
担当者
小泉 透
No. 10
項目
生物多様性を考える(2):過度の開発の影響
内容
熱帯林の減少など過度の開発が生物多様性をおびやかす影響について理解する
担当者
小泉 透
No. 11
項目
生物多様性を考える(3):人口減少の影響
内容
人口減少や農耕地の放棄など自然に対する働きかけの縮小が生物多様性をおびやかす影響について理解する
担当者
小泉 透
No. 12
項目
生物多様性を考える(4):外来生物の影響
内容
国外から持ち込まれる生物や化学物質などが生物多様性をおびやかす影響を理解する
担当者
小泉 透
No. 13
項目
生物多様性を考える(5):ブラジルサミットからCOP15へ
内容
生物多様性条約やIPBESなど生物多様性の保全をめぐる国内外の取り組みを理解する
担当者
小泉 透
No. 14
項目
持続可能な社会にむけて:SDGsを考える
内容
これからの社会のあり方の国際的な目標となったSDGs(持続可能な開発目標)をめぐる国内外の動きと持続可能の意味について理解する。
担当者
小泉 透
No. 15
項目
まとめ:全体のまとめと補足
内容
講義全体を総括し基礎生態学の理解を深めるとともに、さらに生態学を学ぶために必要な知識について補足する。
担当者
小泉 透

到達目標

・ 生物の進化について正しく理解する。
・ 生物が様々な環境条件や生物同士の関係性の中でどのように生きているか理解する。
・ 人間活動による地球温暖化と生物多様性の損失が生態系に及ぼす影響を理解する。

評価方法

定期試験(80%)。課題提出(20%)。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習:60時間】
予習:教科書として示したものは全てウェブ上で閲覧・入手できるので事前に読んでおくこと。
復習:髙田 配布資料やノートを整理しておくこと。小泉 講義中に示すキーワードを理解すること。

その他注意事等

実務経験の授業への活用方法:
小泉 研究所および環境関係の審議委員、鳥獣保護管理プランナーの経験を踏まえ、保全計画の立案方法について解説する。
髙田 研究所での研究活動と普及啓発活動の経験を踏まえ、基礎的な生態学研究の面白さを伝える。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書は使用しない。講義資料はパワーポイントで投影する。講義資料の配布は教員の判断による。
参考書進化とはなんだろうか長谷川眞理子岩波書店
参考書動物の生存戦略長谷川眞理子左右社
参考書進化と人間行動長谷川寿一・長谷川眞理子東京大学出版会
教科書
署名
教科書は使用しない。講義資料はパワーポイントで投影する。講義資料の配布は教員の判断による。
著者・編者
発行所
参考書
署名
進化とはなんだろうか
著者・編者
長谷川眞理子
発行所
岩波書店
参考書
署名
動物の生存戦略
著者・編者
長谷川眞理子
発行所
左右社
参考書
署名
進化と人間行動
著者・編者
長谷川寿一・長谷川眞理子
発行所
東京大学出版会