英文名 | Introduction of Animal Science 2 | |
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科目概要 | 動物資源科学科1年後期 [月曜日4時限]、2群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎向井 孝夫、 鍋西 久※、 長竿 淳※、 落合 優※、 入交 眞巳※、 高岸 聖彦、 小倉 匡俊、 山本 裕司、 小宮 佑介※、 桃沢 健二、 松浦 晶央、 鈴木 喜博、 垣内 一恵、 高橋 辰行 | |
講義室 | ||
備考 | 科目ナンバリング:VZ201-BA11 |
資源動物に関する最新の研究状況や、医学をはじめとする他の学問分野との関連に関する説明を通して、動物資源科学の持つ応用性、多面性を理解する。また、多様な学問領域に対応できる能力を養い、各自の興味と個性に適した領域・分野が選択できるような動機付けをする。
動物資源科学概論1では、動物資源科学で学ぶことの概要を述べたが、ここでは資源としての動物の活用方法および動物をとりまく生命現象や技術に関する新しい知見、さらに、医学など他分野との境界領域での研究事例など、動物資源科学に含まれるさまざまな事例を紹介し、その将来について解説する。【キーワード】生命科学、ヒトと動物、畜産物、生体機能 微生物 再生医療 体外受精
教育単位を構成する系の教員による分担講義を行う。
講義はパワーポイントや配布資料を活用しながら講義形式で行う。
課題レポートの講評等は、授業支援システムに掲載する。
◎DP1:生命科学を理解し、豊かな教養と高い倫理観に基づく自立的な思考力と問題解決能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 動物の生殖補助技術 | 人工授精や体外受精、凍結保存などの生殖補助技術の概要およびそれらの農学や医学、社会への応用について解説する。 | 桃沢 健二 |
2 | 再生医療と動物資源 | 再生医療技術の発展に必要不可欠な動物資源の活用について理解するとともに、農学分野で期待される役割を考える。 | 垣内 一恵 |
3 | 動物の味覚と嗜好性 | 動物には好きな食べ物、嫌いな食べ物がある。これを決める要因について味覚、嗅覚、嗜好性、食欲の観点から最先端技術を紹介しつつ食べ物を理解する。 | 高橋 辰行 |
4 | 伴侶動物の行動 | 私たちに身近な動物である「イヌ」と「ネコ」の行動の意味をビデオを観ながら理解する。 | 入交 眞巳 |
5 | 動物の形態学 | 動物の体は各種器官が集まってできており、それぞれの機能に見合った形態を有している。本講義では、運動器官を取り上げ、それらの形態と機能について概説する。 | 長竿 淳 |
6 | 食と健康1 | 時代と共に変化する日本の食事と疾患発症の関係について解説する。また、食品の中でも保健機能食品の種類、食品成分の保健的機能性を栄養科学的に解説する。 | 落合 優 |
7 | 動物に共生する微生物とその役割 | 動物の体には多種多様な微生物が棲息している。講義では、腸内細菌を中心に動物と共生する微生物の種類と役割について概説する。 | 山本 裕司 |
8 | 食と健康2 | 食肉に含まれる栄養素や機能性成分について解説する。また、機能性を有する食品成分と健康のつながりについて、骨格筋の観点から、研究成果を交えつつ紹介する。 | 小宮 佑介 |
9 | 発生工学技術の基礎と応用 | 顕微授精やクローン動物など個体作出に関連した発生工学技術の動向について解説し、医療への応用についても概観する。 | 高岸 聖彦 |
10 | 家畜生産の実際と解説 | 家畜生産の実際を解説するとともに、家畜管理技術および飼育設備・機器に ついて、裏付けとなる基礎理論も交えて概説する。 | 鍋西 久 |
11 | 動物介在活動・療法・教育 | 生きた動物をヒトの福祉・医療・教育に利活用する活動を紹介し、その可能性について解説する。 | 松浦 晶央 |
12 | 動物の科学と健康 | 人や動物の健康に関わる肥満のメカニズム等を解説するとともに、これまでの研究等を紹介していく。 | 鈴木 喜博 |
13 | 動物の「こころ」と福祉 | さまざまな動物種を対象にヒトとの「こころ」の共通点と相違点や、ヒトと動物の関係について研究例を紹介しながら解説する。 | 小倉 匡俊 |
14 | 動物資源科学分野の現状と将来展望 | 今後、50 年の間に世界の人口は急増する。その間に生じるであろう食料や環境に関わる課題を取り上げ、動物資源科学概論で学んだことを生かしその解決に向け、学生諸君と議論する。 | 向井 孝夫 |
15 | まとめ | まとめ(60 分)及び解説講義(30分)を行う。 | 向井 孝夫 |
動物資源科学の最新領域における研究内容を通して、その目指す方向と将来性について理解するとともに、多様な分野から構成される動物資源科学の全体像を把握することができる。また、医学との連携など関連領域とのかかわり合いについても理解し、積極的に知識を得ようとする姿勢を持つことができる。
成績はレポート(80%)と受講態度(20%)で評価する。レポート内容は各講義の要約及び講義全体に対する課題とする。詳細は講義内で提示する。
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:参考図書を少なくとも1冊読み、一般的な基礎知識を得ておくこと。
復習:講義中および講義終了後の質疑応答を充てるが、さらに関心のある分野の書籍を自分自身で調べ、多様な知識を得ておくことが望まれる。要望があれば、さらに参考図書を提示する。
動物資源科学は、極めて応用範囲の広い学問領域である。概論1で解説される基礎的な知識・技術を用いて、細胞工学、微生物学、分子生物学、食品科学、再生医学など様々な学問領域との連携が進められている。このような状況に対応するため、興味のある分野だけでなく未知の分野についても積極的に関心を持つ姿勢を心がけてほしい。質問や議論はいつでも歓迎する。
実務経験の授業への活用方法:動物資源科学分野と関係のある国・自治体や産業界と大学との結びつき及びそれぞれの分野における仕事の内容について解説するので,キャリアデザインを描く際の参考とさせる。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | (なし) | ||
参考書 | 食品の科学 | 上野川修一・田之倉優 | 東京化学同人 |
参考書 | アニマルテクノロジー | 佐藤英明 | 東京大学出版会 |
参考書 | いのちの食べかた | 森 達也 | 角川文庫 |
参考書 | もっと知りたい! 微生物の力 | 下村 徹 | 技報堂出版 |
参考書 | 「解明」から「制御」へ 肥満症のメディカルサイエンス | 梶村慎吾・箕越靖彦/編 | 羊土社 |