英文名 | Veterinary Biochemistry Ⅰ | |
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科目概要 | 獣医学科1年後期 [金曜日3・4時限]、3群科目、必修、講義、1単位(15時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎折野 宏一 | |
講義室 | ||
備考 | 科目ナンバリング:VV301-GS13 |
主要な生体高分子であるタンパク質、糖質、核酸および脂質の構造と性質、ならびに生命の基本単位である細胞の膜(生体膜)について理解し、生命現象を分子レベルで理解する生化学的な考え方の基礎を習得することを目標とする。
生体を構成する基本的な成分であるアミノ酸、単糖、塩基や脂肪酸などの構造と性質を明らかにし、それらの基本分子がどのようにしてタンパク質、多糖、核酸あるいは脂質という生体高分子を形成するのかについて講述する。更に、タンパク質や核酸の立体構造ならびに脂質やタンパク質の分子集合体である生体膜について講述する。
キーワード:タンパク質、糖質、核酸、脂質、生体膜
獣医学科学生全員を1クラスとして対面授業で行う。授業は教科書並びに自作の資料を使用する。視覚的理解が必要なものに関してはパワーポイントを用いる。授業の理解度を確認するために「まとめ」としての小テストを3回実施し、大事なポイントは随時説明する。
◎DP1:生命科学の理解と高い教養及び倫理観の習得
◎DP2:動物の病気の診断・治療・予防に関する知識を持ち、適切に実践できる能力
DP3:食品の安全性の確保と供給に資する能力
DP4:医薬品の開発に寄与する能力
DP5:野生動物の保全に寄与する能力
DP6:人獣共通感染症の制圧に寄与する能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | タンパク質の構造(1) | アミノ酸の基本構造と性質(「タンパク質の構造」第3章) | 折野 宏一 |
2 | タンパク質の構造(2) | アミノ酸の種類と誘導体((「タンパク質の構造」第3章)、「細胞間情報伝達と受容、応答、調節」第14 章) | 折野 宏一 |
3 | タンパク質の構造(3) | ペプチド結合、生理活性ペプチド((「タンパク質の構造」第3章)) | 折野 宏一 |
4 | タンパク質の構造(4) | タンパク質の一次構造、二次構造、三次構造、四次構造((「タンパク質の構造」第3章)) | 折野 宏一 |
5 | 糖質の構造(1) | タンパク質の構造についての「まとめ」 単糖の構造と性質(「単糖の構造」「単糖の光学活性」「糖の環状構造」第5章) | 折野 宏一 |
6 | 糖質の構造(2) | グリコシド結合およびオリゴ糖(「グリコシド結合」「オリゴ糖」第5章) | 折野 宏一 |
7 | 糖質の構造(3) | ホモ多糖およびヘテロ多糖の構造と性質(「多糖」第5章) | 折野 宏一 |
8 | 糖質の構造(4) | 複合糖質の構造と性質(「複合糖質」第5章) | 折野 宏一 |
9 | 核酸の構造(1) | 糖質の構造についての「まとめ」 ヌクレオチドおよびRNA の構造(「ヌクレオチド」「RNA」第15 章) | 折野 宏一 |
10 | 核酸の構造(2) | DNA の構造と特性(「DNA」第15 章) | 折野 宏一 |
11 | 脂質の構造(1) | 脂肪酸と中性脂肪(「脂質の構造と生体膜」第4章) | 折野 宏一 |
12 | 脂質の構造(2) | リン脂質、糖脂質およびコレステロール(「脂質の構造と生体膜」第4章) | 折野 宏一 |
13 | 生体膜(1) | 核酸の構造および脂質の構造についての「まとめ」 生体膜の基本構造と性質(「生体膜の構造と性質」第4章) | 折野 宏一 |
14 | 生体膜(2) | 膜タンパク質の構造(「生体膜の構造と性質」第4章) | 折野 宏一 |
15 | 生体膜(3) | 膜タンパク質の機能(「生体膜の構造と性質」第4章) | 折野 宏一 |
①アミノ酸の構造と性質について説明できる ②ペプチド・タンパク質の構造と性質について説明できる ③単糖の構造と性質について説明できる ④オリゴ糖・多糖の構造と性質について説明できる ⑤ヌクレオチド・核酸の構造と性質について説明できる ⑥脂質の構造と性質について説明できる ⑦生体膜の構造と性質について説明できる
授業内容に記載した全3回の「まとめ」で行う小テスト(30%)。小テストにおいては次の授業で特徴的な見解や誤解についてコメントする。
定期試験(70%)
【授業時間外に必要な学習 の時間:30時間】
予習:授業前に教科書「改訂 獣医生化学」の各回の授業内容に関連する箇所を読んでくること。各章の該当箇所は授業内容に記載してある。
復習:授業後に内容をノートにまとめ、わからない点があったら、メール等を利用して積極的に質問すること。また、参考書「生化学辞典」で専門用語の理解を深めて下さい。
生体高分子は比較的少数の単純な基本単位分子(building-block molecules)から構成されており、これらの構造や性質を理解することにより、生体高分子を理解することができ、それが生命現象の分子レベルでの理解に繋がります。化学が苦手な人も、生体物質名を正確に覚えることから始めましょう。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 改訂 獣医生化学(ISBN978-4-254-46035-3) | 横田博ほか | 朝倉書店 |
参考書 | 生化学辞典 ( 第4版) | 今堀和友、山川民夫監修 | 東京化学同人 |
参考書 | ストライヤー生化学 ( 第8版) | 入村達郎ほか監訳 | 東京化学同人 |
参考書 | 分子細胞生物学 ( 第8版) | H. Lodish ほか著 | 東京化学同人 |
参考書 | キャンベル・ファーレル生化学 ( 第6版) | 川嵜敏祐監訳 | 廣川書店 |