英文名 | Advanced Water Environment | |
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科目概要 | 生物環境科学専攻(修士課程)1年次前期、選択、講義、3単位(45時間) 生物環境科学専攻(修士課程)2年次前期、選択、講義、3単位(45時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎樽屋 啓之※ | |
講義室 | 本館A棟5階共用セミナー室(A55・A56) | |
備考 | 生物環境科学専攻(修士課程)主科目 1年次または2年次にて履修する |
人類や野生動物の生活に必要不可欠な水域環境について,水路システム工学に基づく基礎と演習により、流域環境の概念とその保全方法を習得する。受講者が現場の問題を持ち寄り、解決方法についてディスカッションできるようになる。
地元にある豊富な水環境の現場とその営みを紹介し、実際に訪れ調査すること、地元と交流すること等を通じて水環境に対する理解を深める。伝統的農業水利~近代的農業水利~現代的農業水利の三代の歴史を持つ三本木原開拓の題材、奥入瀬川流域の伝統的農業水利の題材を通じて、水環境の重要性と保全対策を学ぶ。さらに、日本全国、世界各国の水環境に視野を広げる。
各回の講義の冒頭では、関連する地域 の実例や関連文献の紹介を通じて、受講生の地元や地域に対する理解を深めさせる。適時レポート課題等を通じて受講生との双方向学習に活用する。連続回の講義とディスカッションによってフィードバックする。
◎A:生物環境科学とその関連分野の高度な知識の習得
B:専門の技術と手法を習得するための特別実験実習
〇C:問題解決能力とデザイン能力を習得するための過程を重視した学位論文の作成
◎は特に関連するもの、〇は関連するもの
学年 | 回/1.5h | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1年又は2年 | 第1回 | 水循環システムの概念 | システムの概念、水路システムの灌漑における役割、水路システムと事業 | 樽屋 啓之 |
第2回 | 水路システムの構成と機能(1) | 水路システムの構成と水理ユニット | 樽屋 啓之 | |
第3回 | 水路システムの構成と機能(2) | 水路システムの主要構成要素 | 樽屋 啓之 | |
第4回 | 水路システムの構成と機能(3) | 水路システムの類型化 | 樽屋 啓之 | |
第5回 | 水路システムの構成と機能(4) | 水路システムの機能と性能 | 樽屋 啓之 | |
第6回 | 水路システムの水管理と操作・運用(1) | 水管理の類型 | 樽屋 啓之 | |
第7-8回 | 水路システムの水管理と操作・運用(2) | 水管理の対象と範囲、具体的行動、実態調査の方法 | 樽屋 啓之 | |
第9回 | 水路システムの水管理と操作・運用(3) | 取水制御の原理と種類 | 樽屋 啓之 | |
第10回 | 水路システムの配水管理 | 配水の分類・計画方式、分水制御方式 | 樽屋 啓之 | |
第11回 | 水路システムの流量制御(1) | 水路の操作と制御の概念、開水路の流量制御方式、用水到達時間と操作損失 | 樽屋 啓之 | |
第12回 | 水路システムの流量制御(2) | 調整池の機能、開水路系の水管理方式 | 樽屋 啓之 | |
第13-14回 | 水路システムの流量制御(3) | パイプラインの流量制御方式、上流制御方式、下流制御方式 | 樽屋 啓之 | |
第15-16回 | 水路システムの設計の基本(1) | 人工物設計の一般原則、灌漑システム設計の基本、技術仕様に基づく設計法、 | 樽屋 啓之 | |
第17回 | 水路システムの設計の基本(2) | 機能性能に基づいた設計法 | 樽屋 啓之 | |
第18回 | 水路システムの機能保全(1) | ストックマネジメントと性能評価 | 樽屋 啓之 | |
第19回 | 水路システムの機能保全(2) | 水利用機能調査の方法 | 樽屋 啓之 | |
第20回 | 水路システムの機能保全(3) | 水理機能の現地調査の方法 | 樽屋 啓之 | |
第21回 | 伝統的農業水利のしくみ(1) | 湧水帯の農業水利 | 樽屋 啓之 | |
第22回 | 伝統的農業水利のしくみ(2) | 中山間地域の農業水利 | 樽屋 啓之 | |
第23回 | 伝統的農業水利のしくみ (3) | 伝統的水利と社会システム | 樽屋 啓之 | |
第24回 | 伝統的農業水利のしくみ (4) | 伝統的水利と生態系 | 樽屋 啓之 | |
第25-26回 | 近代的農業水利のしくみ | 水利開発と環境問題 | 樽屋 啓之 | |
第27回 | 現代的農業水利のしくみ | 戦後の水利開発の歴史と新技術の動向 | 樽屋 啓之 | |
第28回 | 稲生川における農業水利の再評価 | 持続可能社会の構築に向けて | 樽屋 啓之 | |
第29-30回 | 日本・世界の水環境 | 持続可能社会の構築に向けて | 樽屋 啓之 |
水路システム工学や水文水循環の基礎について理解できる。水域環境における様々な物質循環過程が理解できる。流域をベースに水の循環を辿ることにより、人間が自然に関わり水環境の一部を開発しコントロールしてきた歴史を理解することができる。同時に、自然災害に対する歴史的な人類の営みを理解することができる。
講義とディスカッションを通じて生じた疑問を、次回の講義までの課題とし、レポート課題(50%)とプレゼンテーション(50%)によって解決する過程を評価する。
「予習」「復習」:自分の関連する研究テーマについて問題意識をもち、講義に持ち寄る。
実務経験の授業への活用方法:水路システム工学に基づく農業水利システムにおける水路等の施設計画設計実務者としての経験を、全国各地の事例解説を通じて講義に取り入れる。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 毎回資料を配布する。 | ||
参考書 | (なし) |