英文名 | Reproductive Biotechnology | |
---|---|---|
科目概要 | 動物資源科学科2年後期 [金曜日2時限(週1コマ)]、3群科目、選択、講義、2単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎高岸 聖彦 | |
講義室 | 1061講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VZ301-PR30 |
発生工学の全体像を理解し、その実用的な意義を認識する。さらに、個々の技術の利用の現状を知るとともに、特に、医療への応用に関する倫理上の注意点・問題点について理解する。
発生工学は、生殖生理学を基礎として発展し、細胞生物学、遺伝子工学などの技術を利用しながら、現在では応用技術として独自の展開を進めている。その最新技術と実験生物学や医療分野への応用について解説する。また、生命倫理の観点から生じている様々な問題についても紹介する。
パワーポイントを活用し、教科書を参照しながら、講義形式の授業を行う。追加内容や講義の要点については、配布資料により説明する。生命倫理に関する話題は、ビデオによる現状認識と問題提起も行う。授業内容についての質問は、講義終了時に対応する。また、授業支援システムを利用した質問も随時受け付ける。
◯ DP4:動物性食品の基礎を理解し、機能性向上や安全性確保に対する専門的技能、能力
◎ DP5:生命科学に関する専門知識を生かし、人と動物の健康に寄与する能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
---|---|---|---|
1 | 発生工学の基礎(1) | 発生工学の歴史的背景、受精と初期発生 | 高岸 聖彦 |
2 | 発生工学の基礎(2) | 細胞培養培地の基礎 | 高岸 聖彦 |
3 | 体外胚生産(1) | 卵子・胚操作の基本手技、卵母細胞の体外培養 | 高岸 聖彦 |
4 | 体外胚生産(2) | 体外受精と初期胚培養技術の実際 | 高岸 聖彦 |
5 | 顕微授精 | 顕微授精の手技、不妊治療への臨床応用 | 高岸 聖彦 |
6 | 全胚培養 | 全胚培養技術の現状 | 高岸 聖彦 |
7 | 雌雄の産み分け | 雌雄産み分けの手法と実用化技術 | 高岸 聖彦 |
8 | 配偶子の保存 | 卵子、胚および精子の超低温保存、精子の凍結乾燥保存 | 高岸 聖彦 |
9 | 核移植 | クローン動物作出の歴史、基本的手技、問題点 | 高岸 聖彦 |
10 | エピジェネティクス | ゲノムインプリンティング、DNAのメチル化、リプログラミング | 高岸 聖彦 |
11 | 遺伝子改変技術 | 形質転換動物の作出方法とその応用 | 高岸 聖彦 |
12 | 幹細胞工学 | ES細胞、iPS細胞の樹立法、特性、取扱い | 高岸 聖彦 |
13 | 生命倫理(1) | 生殖補助医療における問題点、配偶子提供、出自を知る権利 | 高岸 聖彦 |
14 | 生命倫理(2) | 代理懐胎、デザイナーベビー、ゲノム編集 | 高岸 聖彦 |
(1)発生工学を構成する基本的な技術について理解し、手技を説明することができる。
(2)人為的な生殖制御が可能となる学際的な背景について理解することができる。
(3)発生生物学、分子生物学、遺伝子工学など他領域との関連について理解することができる。
(4)生物学的研究や医療応用などについての意義を理解し、各自が倫理面での考えを持つことができる。
主要な内容、用語に関する理解度を確認する筆記試験の成績(90%)および発生工学の医療への応用について生命倫理の観点からの考え方を記載したレポート(10%)により総合的に評価する。
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:講義内容に対応する教科書の記載項目は講義中に示すので事前に目を通しておくこと。関連する他講義の内容についても再確認しておくこと。
復習:講義内容の要点および追加事項については、適宜プリントを配布するので、重要な内容について確認をしておくこと。また、図書館の書籍やWeb等から様々な情報を得て、知識を深めておくこと。
本講義では、発生工学技術のヒトへの応用という観点から、生命倫理上の問題点についても紹介する。様々な意見があり、一つの解答が得られるわけではないが、学生間でも意見交換をするなど、考察を行ってほしい。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 哺乳動物の発生工学 | 佐藤英明 他(編著) | 朝倉書店 |
参考書 | アニマルテクノロジー | 佐藤英明 | 東京大学出版会 |
参考書 | マウス実験の基礎知識[第2版] | 小出剛編 | オーム社 |
参考書 | 生殖補助医療(ART)-胚培養の理論と実際- | 日本卵子学会編 | 近代出版 |
参考書 | 生殖医療の衝撃 | 石原理 | 講談社現代新書 |