英文名 | Principles of Animal Welfare | |
---|---|---|
科目概要 | 動物資源科学科3年後期 [火曜日3時限(週1コマ)]、2群科目、選択、講義、2単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎山﨑 淳 | |
講義室 | 111講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VZ201-FM13 |
人間と動物の関係、特に動物に対する人間の扱い方について、動物福祉という概念の発達の歴史から理解し、現在の状況と今後のあり方について自分自身の考えを持てるようにする。
動物に対する人間の考え方について、歴史的な変遷・宗教に規定される考え方などを踏まえ、説明する。
動物に向き合う姿勢として、現在、考慮しなければならない点を、生命倫理の視点を中心に説明し、各自が考え・判断する力を身につける。
動物に対する人間の考え方の変遷を踏まえ、現在、人と関わる動物とどのように向き合っていけば良いかを各自に考えさせる。そのために必要な情報・考え方・視点を示す。また、上記を達成するために、各回の講義内容に関連した課題について各自の考えをまとめるための「小論文」の提出を求める。提出された小論文について、獣医学部学習支援システム(WebClass)にアップロードし、全員が閲覧できるようにする。あわせて、小論文に見られた各受講者の考え・判断・選択などを教員がまとめ、さらに考察を深めるための視点などを示したものを印刷物として配布すると共に、講義の中で紹介する。
○DP 1:生命科学を理解し、豊かな教養と高い倫理観に基づく自立的な思考力と問題解決能力
◎DP 2:動物資源の開発・利用を発展させるための専門的技能、能力
◎DP 3:動物福祉の重要性を理解し、人と動物の関係や周辺環境の向上に貢献できる能力
○DP 5:生命科学に関する専門知識を生かし、人と動物の健康に寄与する能力
◎DP 6:「農」と「医」の複眼的視点と異分野へ転移可能な汎用的能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
---|---|---|---|
1 | オリエンテーション、動物生命倫理 | 動物福祉に関する知識・考えを問う 動物生命倫理の概念について | 山﨑 淳 |
2 | 動物福祉の思想とその展開 | 日欧の動物に対する感覚・感情の比較 | 山﨑 淳 |
3 | 動物福祉に関する法律(1) | 欧米の法律 | 山﨑 淳 |
4 | 動物福祉に関する法律(2) | 日本の法律(1):動物福祉に関する法律の歴史 | 山﨑 淳 |
5 | 動物福祉に関する法律(3) | 日本の法律(2):「動物の愛護及び管理に関する法律」および関連法規など | 山﨑 淳 |
6 | 動物愛護に対するさまざまな姿勢 | 動物の権利について、参考書を基に検討する | 山﨑 淳 |
7 | 共生の視点から見た人と動物 | 動物、特に愛玩動物と人間が社会の中で共存できるシステムを作り上げるために考えるべきこと | 山﨑 淳 |
8 | 動物生産における倫理と福祉(1) | 福祉の評価法-ストレスに対する反応と福祉レベルの評価 | 山﨑 淳 |
9 | 動物生産における倫理と福祉(2) | 福祉の基準 | 山﨑 淳 |
10 | 動物生産における倫理と福祉(3) | 福祉と生産性の関係 | 山﨑 淳 |
11 | 家畜の生産とそれを取り巻くもの | 動物福祉と人間の生活との関係について、家畜の生産から地球環境までを含めて考察する | 山﨑 淳 |
12 | 動物実験における倫理(1) | 動物実験が必用とされている場、実験動物の利用 | 山﨑 淳 |
13 | 動物実験における倫理(2) | 動物実験代替法の開発と利用の場、人道的エンドポイントと安楽殺 | 山﨑 淳 |
14 | 展示動物(動物園動物)の福祉 | 動物園の意義と役割、福祉改善の試み | 山﨑 淳 |
(1)動物福祉に関する基礎的な知識を身に付け、飼育から屠殺まで、家畜・実験動物・愛玩動物など種々の動物を取り扱う現場で適切な判断ができる力を身につける。
(2)動物資源の利用について、さらに、人間のあり方について考えられる力を身につける。
開講回数の3分の2以上の出席および小論文提出者が評価対象となる。
受講態度および毎回の講義において出題する小論文の提出状況と内容(60%)、定期試験(40%)を総合して評価する。
【授業時間外に必要な学習時間:60時間】
予習・復習として、「動物福祉論」は動物に対する各自の考え方が基本であるため、日頃から人間が動物を利用している場面、動物と人間の関係について自分の考えを持つこと。
予習:講義で用いるスライド(PDF形式)および追加資料は獣医学部学習支援システム(WebClass)で学外からも閲覧することができる形で掲載するので、配付する教科書「動物福祉論」(動物飼育管理学研究室編)・資料と合わせ毎回の講義に先立ちよく読み、内容を理解しておくこと。
復習:講義で用いたスライドおよび追加資料を学習支援システムで閲覧・利用し、配付する教科書・資料と合わせ毎回の講義内容のより深い理解に利用すること。また、講義内容に関連した課題を小論文として出題するため、必ず小論文の作成・提出をおこなうこと。
講義による知識の習得とともに、動物福祉に関連した問題について毎回出題する小論文の作成を通じて、「問題の背景にあるもの」に対して考えをめぐらし、それを理解し、それらの問題に対して自分自身の考えを持てるようにしてほしい。特定のオフィスアワーは設けていませんが、質問などが有れば研究室までいつでも気軽に来てください。また、獣医学部学習支援システム(WebClass)のメッセージ機能を利用した質問・連絡なども受け付けています。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 「動物福祉論」テキストおよび各種資料集 | 山﨑 淳 | 動物飼育管理学研究室 無料配布 |
教科書 | 動物福祉学 | 新村 毅 編 | 昭和堂 |
参考書 | 動物福祉の科学 理念・評価・実践 | マイケル・C.アップルビー/バリー・O.ヒューズ ら 編著 | 緑書房 |
参考書 | アニマルウェルフェア-動物の幸せについての科学と倫理 | 佐藤衆介 | 東京大学出版会 |
参考書 | 動物に権利はあるか | ローレンス・プリングル | NHK出版 |
参考書 | ファストフードが世界を食いつくす | エリツク・シュローサー | 草思社 |
参考書 | 動物愛護法入門(第2版) | 東京弁護士会公害・環境特別委員会 編 | 民事法研究会 |
参考書 | 日本の動物法 | 青木人志 | 東京大学出版会 |
参考書 | 日本の動物政策 | 打越綾子 | ナカニシヤ出版 |
参考書 | 日本とEUの有機畜産 | 松木洋一・永松美希 編著 | 農文協 |