英文名 | Animal Breeding | |
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科目概要 | 動物資源科学科3年後期 [水曜日2時限(週1コマ)]、3群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎永野 昌志 | |
講義室 | 111講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VZ301-PR12 |
科目 | 教科に関する科目(中学校及び高等学校 理科) |
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施行規則に定める科目区分 |
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動物育種とは、野生動物の繁殖をヒトが制御し、遺伝的に改良を行って家畜化することである。動物の質的・量的な形質の遺伝について基本的な内容を理解し、家畜改良目標が明確にされている産業動物を中心に、①動物育種の基本的な考え方、②選抜法、③交配法を理解することを目的とする。
野生動物がヒトによって家畜化された歴史、遺伝の法則、遺伝的改良が進んでいることを評価する様々な方法とその原理、さらに効率的に遺伝的改良を進めるための人工繁殖技術について講義する。さらに、我が国の家畜改良方針がどのように制定され、それに向かってどのような取り組みがなされているかについても講義する。
パワーポイントを用い、写真や動画を用いることで理解しやすい講義を実施する。
講義での課題に関するフィードバックはWebClassに掲載する。また、講義に関する質問についてもWebClassを用いて回答する。定期試験はコピーを返却し、不明な点について質問を受ける。
◎DP2: 動物資源の開発・利用を発展させるための専門的技能、能力
〇DP1: 生命科学を理解し、豊かな教養と高い倫理観に基づく自立的な思考力と問題解決能力
〇DP3: 動物福祉の重要性を理解し、人と動物の関係や周辺環境の向上に貢献できる能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 研究倫理 | 研究活動における倫理と不正行為について解説する。 | 永野 昌志 |
2 | 家畜改良の歴史 | 有史以前から人類は野生動物を家畜化してきた。人類と動物とのかかわり、その変遷について概説する。 | 永野 昌志 |
3 | 動物育種の歴史と成果 | 19世紀以降に開発された動物育種法の変遷や遺伝に関する研究について概説する。 | 永野 昌志 |
4 | 形質と遺伝 | 動物育種学におけるメンデルの法則およびハーディ・ワインベルグの法則について概説する。 | 永野 昌志 |
5 | 質的形質とその遺伝 | さまざまな動物種における質的形質とその遺伝および動物育種への応用について概説する。 | 永野 昌志 |
6 | 集団の遺伝的構成とその変化 | 集団としての育種を考えるうえで重要なハーディーワインベルグの法則を中心に、動物育種がどのように行われてきたか詳細を説明する。 | 永野 昌志 |
7 | 量的形質とその遺伝1 | 経済形質の大部分は量的形質であることから、動物育種学でもっとも重要な内容である。動物育種を行う上で重要な育種価の考え方について説明する。 | 永野 昌志 |
8 | 量的形質とその遺伝2 | 育種価の計算方法について実例を挙げながら解説する。また、国内外における家畜改良について、家畜改良目標とともに説明する。 | 永野 昌志 |
9 | 量的形質とその遺伝3 | 遺伝的パラメータ、遺伝率について解説するとともに、QTL解析を用いた育種について概説する。 | 永野 昌志 |
10 | 選抜と選抜育種 | 有用な形質を有する家畜を選抜する各種方法を概説するとともに、その利点および欠点について解説する。また、現在用いられているBLUP法について概説する。 | 永野 昌志 |
11 | 交配とその様式 | 有用な動物を選抜するうえで、有用形質を備えた動物を計画的に交配する必要がある。効率的に動物育種を進めるための交配方法について解説する。 | 永野 昌志 |
12 | ゲノム育種とその進展 | 動物育種をより効率的に進めるため、現在は遺伝情報が用いられている。どのような手技を用いて遺伝情報を利用しているのか解説するとともに、実際に世界中で用いられている方法について紹介する。 | 永野 昌志 |
13 | 家畜育種のための繁殖技術 | 遺伝的に優れた動物を選抜、後代が誕生することで動物の改良は進む。より効率的に選抜された各種動物を繁殖させる方法について、人工授精法を中心に概説する。 | 永野 昌志 |
14 | 遺伝的多様性の管理と保全 | 動物をある方向に改良・育種することは経済性向上のために不可欠であるが、遺伝子の多様性を確保することも動物育種では重要である。ここでは、現在取り組まれている遺伝的多様性の管理と保全方法について概説する。 | 永野 昌志 |
(1)動物育種の基本的な考え方を説明できる。
(2)家畜の選抜方法を説明できる。
(3)選抜のための交配方法を説明できる。
定期試験によって評価する(100%)。
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:事前配布資料および参考書内の関連内容について事前に読んでおくこと。
復習:配布資料と参考書を用いて復習すること。前回までの講義内容と常に連動した講義となるため、特に復習は重要であり、次回の講義に出る用語について理解を深めることが重要です。
予習と復習にはそれぞれ講義と同程度の時間が必要となります。
我が国の家畜改良目標がどのように策定されているのか、国内外の経済状況との関連についても理解して欲しい。また、農家レベルでの改良方針がどのように決められているのかについても理解してほしい。
研究室に配属され、研究を進めていくうえで必要な研究倫理についても解説するので、研究を実施するための心構えを身に付けてほしい。
オフィスアワーは特に設けないので、いつでも来室してください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 毎回資料を配布する。 | ||
参考書 | 動物遺伝育種学 | 祝前・国枝・野村・万年 編 | 朝倉書店 |
参考書 | 獣医遺伝育種学 | 国枝・今川・鈴木 編 | 朝倉書店 |