毒性学
英文名Toxicology
科目概要獣医学科3年後期 [月曜日2・3時限(週2コマ)]、3群科目、必修、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎鎌田 亮 (※)
講義室B21講義室
備考科目ナンバリング:VV301-GS35

授業の目的

人工的な化学物質や外来性の生理活性物質(生体異物)は、ヒトや動物、生態系に対して有害な作用(毒性)を示す場合がある。生体異物による毒性の事象や発現様式を理解するとともに毒性評価の基礎を学ぶ。

教育内容

様々な生体異物について、その種類、体内動態、標的臓器、有害作用(毒性)および毒性の発現様式を詳説する。
化学物質の毒性評価法、リスク分析法、行政の取り組みおよび法規等について説明する。
環境汚染物質の種類、環境動態および影響について説明する。

教育方法

教科書、配付資料、パワーポイントを用いた講義を行う。
授業内容の理解を深めるための演習問題を提示する(次回に模範解答を配付または解説を行う)。
定期試験の内容・結果に疑問がある場合には面談に応じ、疑問に答える。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

〇DP1:生命科学の理解と高い教養及び倫理観の習得
〇DP2:動物の病気の診断・治療・予防に関する知識を持ち、適切に実践できる能力
〇DP3:食品の安全性の確保と供給に資する能力
◎DP4:医薬品の開発に寄与する能力
〇DP5:野生動物の保全に寄与する能力
 DP6:人獣共通感染症の制圧に寄与する能力

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1毒性学とは毒性学の歴史、成り立ち鎌田 亮
2毒性発現毒性発現の様式、毒性発現に影響する因子、薬物相互作用鎌田 亮
3化学物質の生体内動態1吸収、分布、代謝、排泄鎌田 亮
4化学物質の生体内動態2トキシコキネティクス鎌田 亮
5リスク分析リスク分析の3要素(リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーション)と関連法規鎌田 亮
6毒性評価の実際1毒性試験の種類と内容鎌田 亮
7毒性評価の実際2毒性試験の信頼性の確保、Good Laboratory Practice(GLP) 、統計解析鎌田 亮
8遺伝毒性1遺伝毒性の発現様式(DNA損傷と修復、突然変異)鎌田 亮
9遺伝毒性2遺伝毒性物質、遺伝毒性試験鎌田 亮
10発がん性発がんの機構、発がん物質、発がん性試験鎌田 亮
11生殖発生毒性1生殖毒性および発生毒性の特徴と発現様式鎌田 亮
12生殖発生毒性2生殖発生毒性物質、生殖発生毒性試験法鎌田 亮
13肝毒性肝臓の構造と機能、肝毒性の発現様式、肝毒性物質、肝毒性に関する検査鎌田 亮
14腎毒性腎臓の構造と機能、腎毒性の発現様式、腎毒性物質、腎毒性に関する検査鎌田 亮
15心・循環器毒性心・循環器の構造と機能、心・循環器毒性物質鎌田 亮
16呼吸器毒性呼吸器の構造、呼吸器障害の特徴と発現様式、呼吸器毒性物質、吸入毒性試験鎌田 亮
17神経毒性神経系の構造と機能、神経毒性の発現様式、神経毒性物質鎌田 亮
18消化管毒性消化管の構造と機能、消化管障害の発現様式、消化管毒性物質鎌田 亮
19内分泌毒性内分泌系の構成と機能、内分泌毒性の発現様式、内分泌毒性物質鎌田 亮
20血液毒性造血器・血液細胞の機能、血液毒性の発現様式、血液毒性物質鎌田 亮
21免疫毒性免疫系の構成と機能、免疫毒性の発現様式、免疫毒性物質、免疫毒性試験鎌田 亮
22皮膚・粘膜毒性皮膚の構造、皮膚毒性の種類、皮膚毒性物質、皮膚・粘膜毒性試験鎌田 亮
23感覚器毒性感覚器の構造と機能、感覚器毒性物質、感覚器毒性に関する検査鎌田 亮
24運動器毒性運動器の構造と機能、運動器毒性物質、運動器毒性に関する検査鎌田 亮
25環境毒性1環境汚染物質の動態、環境汚染と環境破壊、環境汚染物質による生物・生態への影響鎌田 亮
26環境毒性2生態毒性試験、環境汚染に関する法規・国際的な取り組み鎌田 亮
27化学物質の有害事象1農薬、医薬品、動物用医薬品、食品(添加物・汚染物質)鎌田 亮
28化学物質の有害事象2嗜好品、化粧品、金属、工業化学物質、自然毒鎌田 亮
29動物の中毒動物の中毒発生状況と治療法鎌田 亮
30総括重要項目の復習と理解度の評価鎌田 亮

到達目標

代表的な毒性物質について、体内動態、標的臓器、毒性および毒性の発現様式を説明できる。
化学物質の毒性評価法、リスク分析法、行政の取り組みおよび法規について説明できる。
代表的な環境汚染物質について、環境動態および影響について説明できる。

評価方法

定期試験によって評価する(100%)。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習時間:60時間】
予習:講義の前に教科書を読んでおくこと。
復習:配布された資料をもとに毒性学の各領域の理解を深める。
毒性学は応用科学であるので、解剖学、病理学、生理学、薬理学等の講義を通じて各臓器の形態と機能を関連付けて理解することが重要である。

その他注意事等

毒性学は、大・小動物臨床、公衆衛生、医薬品・動物用医薬品開発など、どの職域の獣医師においても重要で役に立つ実践的学問なので、しっかり学んでほしい。

実務経験の授業への活用方法:国立環境研究所での毒性学研究から得た知識・経験をもとに、化学物質の各臓器における毒性発現様式や毒性試験の特徴を詳説するとともに、毒性学の社会的重要性を伝える。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書獣医毒性学<第二版>日本比較薬理学・毒性学会 編近代出版
参考書トキシコロジー[第3版]日本毒性学会 編朝倉書店
参考書安全性試験の教育・研修テキスト安全性試験受託研究機関協議会(安研協)編博秀工芸社