動物行動学
英文名Animal Behavior
科目概要獣医学科3年後期 [月曜日1時限(週1コマ)]、3群科目、必修、講義、1単位(15時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎木村 祐哉 (※)
講義室B21講義室
備考科目ナンバリング:VV301-GS32

授業の目的

獣医学で出会う様々な動物の正常な行動様式、発現機序を学び、動物を適切にマネジメントするための基礎知識を身につける。

教育内容

動物の生得的行動の様式や機序、次いで習得行動の理論について講義する。それらを踏まえ、動物の行動を評価およびマネジメントする方法を知ることで、臨床行動学にのぞむ基礎とする。

教育方法

実際の行動の様子を動画として提示しながら、パワーポイントを用いた講義形式で進める。学期途中でグループワークを行い、その成果物によって講義内容の理解度を測るとともに、フィードバックを通じて、さらなる習熟を目指す。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

◎DP1: 生命科学の理解と高い教養及び倫理観の習得
◯DP2: 動物の病気の診断・治療・予防に関する知識を持ち、適切に実践できる能力

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1導入心理学や行動学の礎をきずいた偉人とその功績を辿りながら、動物行動学という学問の概要を解説する。木村 祐哉
2行動の適応と進化動物種ごとにみられる様々な行動がどのように獲得されてきたのか、生態学や進化論の視点から解説する。木村 祐哉
3行動の個体発生動物の行動が成長にともないどのように変化するか、社会化の話題をまじえて解説する。木村 祐哉
4行動のメカニズム1
~生殖行動と維持行動~
成熟した動物にみられる生殖行動と、摂食や排泄、休息などの維持行動について解説する。木村 祐哉
5行動のメカニズム2
~社会行動~
動物が群れを形成するにあたり必要となる、種々のコミュニケーション行動、そしてそのチャネルとなる感覚器について解説する。木村 祐哉
6行動のメカニズム3
~生理物質と行動薬理~
動物の行動特性(気質)を司る生理物質を紹介し、それらに作用する薬物について解説する。木村 祐哉
7行動のメカニズム4
~情動と動機づけ~
行動の発現にかかわる機構について、脳および神経とのかかわりをまじえて解説する。木村 祐哉
8形成的評価1【グループワーク】特定の動物の行動について、ティンバーゲンの4つの問いにもとづいて分類することで、これまで学んできた基礎知識の確認を行う。木村 祐哉
9学習理論レスポンデント条件づけとオペラント条件づけに代表される学習理論について、例をまじえて解説する。木村 祐哉
10形成的評価2【グループワーク】学習理論についてふりかえり、動物の行動変容をもたらす方法を検討することを通じ、知識の確認を行う。木村 祐哉
11行動のマネジメント1
~臨床現場における行動学~
問題行動と異常行動の違いを述べ、どのように行動診療が進められるのかを解説する。木村 祐哉
12行動のマネジメント2
~適正飼育とハンドリング~
伴侶動物の適正な飼育方法について行動学的見地から解説し、不適切な場合にみられる問題を紹介する。木村 祐哉
13行動のマネジメント3
~アニマルウェルフェア~
産業動物および展示動物の適正な飼育方法について解説し、不適切な場合にみられる常同障害などの問題を紹介する。木村 祐哉
14研究手法ここまでに学んだ行動学的領域について研究手法の視点から見直し、行動学的指標の応用方法を考える。木村 祐哉
15まとめこれまでの学習をふりかえり、教育効果を確認する。木村 祐哉

到達目標

1)動物の行動を多面的に解釈できる。
2)行動変容が生じるプロセスを、学習理論にもとづいて説明できる。
3)動物の適正飼育について、行動学的指標により判断できる。

評価方法

講義がある程度進行した時点で、そこまでの到達目標を達成できているか確認するためのグループワークを実施する。その成果物(20%)と定期試験の結果(80%)により総括的な評価を行う。
グループワークは、①動物の行動に対する多面的な分析、②特定の行動変容を達成する方法の検討とし、成果物の中で、教授した内容に沿って考察できていることにより評価する。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習の時間:計30時間】
予習:
・初回に過去の試験問題を配布するので、その問題をもとに講義全体の流れを把握すること。
・各講義の最後に次回内容を伝えるので、教科書の該当箇所を読んでおくこと。また、あわせて他の予習事項も指定する。

復習:
・講義内で指定した教科書のチェックポイントを中心に読み返し、紹介した動画も必要に応じて再閲覧すること。また、該当箇所にあわせた復習用の問題も配布するので、各自で解いておくこと。

課題:
・グループワークを2度実施するが、講義時間内のみで成果物を作成することは困難であるため、講義時間外での作業も求める。
・成果物の内容に応じて全体に向けて説明を加えるので、それらを通じて知識の再確認をすること。

その他注意事等

実務経験の授業への活用方法:日常と結びついた生きた知識となるように、動物病院における臨床経験を踏まえ、実際に相談される問題行動の事例をまじえて解説する。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書動物行動学 第1版 森 裕司ほか 著インターズー
参考書臨床行動学 第1版 森 裕司ほか 著インターズー