英文名 | Avian Diseases Laboratory | |
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科目概要 | 獣医学科3年前期 [月曜日4・5・6時限(週3コマ)]、3群科目、必修、実習、1単位(45時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎小野 久弥、 胡 東良 | |
講義室 | B21講義室、A23実習室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VV304-GH34 |
養鶏産業では、類似した遺伝学的素因を持つ多数の個体を鶏群単位で画一的環境下において飼養している。このような環境に病原体が侵入すれば、鶏肉/鶏卵生産に甚大な被害をもたらす。例えば、最近はウイルス感染による家禽や野鳥の大量死や、細菌に汚染された鶏肉・鶏卵を介した食中毒による人の健康被害も問題化している。そこで、野外発生を想定して各種病原体の分離/同定に基づく診断法について習得する。
健康な鳥類(鶏)の解剖を実施し、その解剖学的・生理学的特徴を理解する。発育鶏卵を用いたウイルスの分離を実施し、その検出・同定方法を学ぶ。また、鶏から採取した材料を用いて病原細菌の分離・同定を試みる。
パワーポイント等と配付資料を用いて方法を説明したのち、実技を行う。実験終了後、確認の小テストを行い直後に解説の講義を行う。また実習内容と目的・自身が行った実験の結果・考察をまとめたレポートを作成する。レポートは採点後返却し必要に応じて再提出を求める。
◯DP1:生命科学の理解と高い教養及び倫理観の習得
◎DP2:動物の病気の診断・治療・予防に関する知識を持ち、適切に実践できる能力
◎DP3:食品の安全性の確保と供給に資する能力
◯DP6:人獣共通感染症の制圧に寄与する能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 実習概要説明および総論 | 実習全体の概要についての説明と養鶏産業の成り立ち、食鳥処理・食鳥検査の概要に関する解説 | 小野 久弥 胡 東良 |
2 | 鶏の解剖学・生理学 | 鳥類の解剖学的・生理学的特徴、ほ乳類との比較に関する解説 | 小野 久弥 胡 東良 |
3 | 健康鶏の採血および解剖 | 採卵鶏、肉用鶏および種鶏の保定方法、採血方法。鶏の解剖と、細菌の分離同定で用いる試料の採材 | 小野 久弥 胡 東良 |
4 | 鶏の解剖学のまとめ | 鶏の解剖学における重要事項の確認と小テスト、解説 | 小野 久弥 胡 東良 |
5 | 鶏の発生学とウイルス分離法 | 発生学的な特徴とウイルス分離に用いる発育鶏卵接種法に関する解説 | 小野 久弥 胡 東良 |
6 | 発育鶏卵接種によるウイルスの増幅 | 尿膜腔内接種法と漿尿膜上接種法 | 小野 久弥 胡 東良 |
7 | ウイルス接種鶏卵の観察 | 検卵 | 小野 久弥 胡 東良 |
8 | 接種鶏卵からの採材と内部の観察 | 尿膜腔液の採材、鶏胚の観察 | 小野 久弥 胡 東良 |
9 | 赤血球凝集能に基づくウイルスの同定ウイルス分離法の総括と補足 | 尿膜腔液を用いた赤血球凝集(HA)試験および凝集抑制(HI)試験 | 小野 久弥 胡 東良 |
10 | ウイルスの分離同定のまとめ | ウイルスの発育鶏卵による増幅と分離同定における重要事項の確認と解説 | 小野 久弥 胡 東良 |
11 | 選択培地を用いた細菌分離 | 各選択培地の特徴とこれによる細菌の分離 | 小野 久弥 胡 東良 |
12 | 鶏からの食中毒菌分離法 | 鶏由来細菌性食中毒に関する解説と培養法 | 小野 久弥 胡 東良 |
13 | 生化学的性状に基づく細菌同定とDNAの簡易的な抽出 | 各生化学的検査の意義とこれによる細菌の同定/DNAの簡易抽出とPCR | 小野 久弥 胡 東良 |
14 | 細菌の血清型別とPCRによる菌種同定 | 各種抗血清を用いた菌体抗原の同定とPCR産物の電気泳動 | 小野 久弥 胡 東良 |
15 | 細菌の分離同定のまとめ | 鶏からの細菌の分離同定における重要事項の確認と解説 | 小野 久弥 胡 東良 |
1)産業動物としての家禽の重要性とその特徴について具体的に説明できる。
2)症状から原因となる感染症・病原体を推測し、用いるべき検査法を選択・判断できる。
3)鶏生体を適切に取り扱い、採血や解剖、さらにウイルス増幅・分離や細菌分離を実施できる。
4)鳥類疾病およびそれに由来する人獣共通感染症(食中毒含む)への関心を深めることができる。
5)解剖時の危険性や鶏生体および病原体の取り扱い等を配慮しながら、班員と協力し、実習を進めることができる。
①予備学習, 実験への参加状況(10%), ②各実験ごとに提出されるレポート(60%), ③小テスト(30%)を総合的に評価する。レポートは日時を厳守する。また実習態度や実習終了時の口頭試問等も評価に含める。
【授業時間外に必要な学習の時間:-時間】
予習:各回の実習内容について、事前に配付の実習書を読んで理解しておく。理解しにくい点があれば、その都度教員に積極的に質問する。
復習:実習後は配付資料のみならず、教科書「家禽疾病学」やその他の関連書籍・参考書の当該疾病の箇所を読み、鶏および発育鶏卵の全体的な理解につなげる。
本実習では、人にも感染しうる病原体(ニューカッスル病ウイルスやサルモネラ属菌など)を扱うので、実習前後の手指の消毒や無菌操作を含め、実験操作や実習態度には十分注意する。無菌操作は前年に習得済であるが, よく復習して実習に臨むことを求める。また、本実習には発育鶏卵の観察が含まれるため、月曜日以外にも観察が必要なことがある(実習講義で説明)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 配付資料 | ||
参考書 | 獣医学教育モデル・コア・カリキュラム準拠「家禽疾病学」 | 鶏病研究会(編) | 創文印刷工業株式会社 |
参考書 | 「獣医家禽診療指針」 | 川崎武志編著 | 講談社 |
参考書 | 食鳥処理衛生ハンドブック 第4版 | 公益社団法人 日本食品衛生協会 | 大日本法令印刷株式会社 |