英文名 | Veterinary Pharmacology Laboratory Ⅰ | |
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科目概要 | 獣医学科3年前期 [水曜日4・5・6時限(週3コマ)]、3群科目、必修、実習、1単位(45時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎岡田 宗善、 山脇 英之、 大谷 紘資 | |
講義室 | B21講義室、A41生理薬理実習室 | |
備考 | 科目ナンバリング:V304-GS33 |
獣医薬理学Iの内容を補完し理解を深めるため、生体および生体組織を用いた実験を行い、代表的な薬物の作用を観察する。実習を通して様々な薬理実験の手技を習得するとともに、薬物の作用機序を実際の実験結果から理解する。また、実験結果を論理的に解説できる知識と思考力を身につける。
薬理学総論および末梢・中枢神経系に作用する薬物に関する実習を行う。
パワーポイントや板書を用いて配布資料をもとに講義形式で方法を説明したのち、実験を行う。
実習毎にレポートを課す。
実際の実験結果をもとに実習全体の総括を行う。
資料配布やレポートの提出・評価にWebClass (e-Learningシステム)を活用する。
実習中の質疑応答、またはレポートの評価(評価結果やコメント)によりフィードバックを行う。
◎DP2:動物の病気の診断・治療・予防に関する知識を持ち、適切に実践できる能力
◯DP4:医薬品の開発に寄与する能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 薬理学総論1 | (1)薬物投与などに関わる基本操作:注射の方法や薬物の調整法(投与量や薬物濃度の計算法)を習得する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
2 | 薬理学総論2 | (2)マウスの一般症状の観察:マウスの一般行動をIrwinの多元観察法を用いて観察する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
3 | 薬理学総論3ー1 | (3)受容体作動薬、拮抗薬の作用と効力比較:濃度反応曲線の書き方とpD2値やpA2値の求め方を学ぶ。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
4 | 薬理学総論3ー2 | (3)受容体作動薬、拮抗薬の作用と効力比較:モルモット摘出回腸を用いたマグヌス法の実験から、受容体作動薬と拮抗薬の作用を観察する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
5 | 薬理学総論4 | (4)薬物の協力作用:マウスに麻酔薬と鎮静薬を併用することで、麻酔作用が延長すること(薬物の協力作用)を観察する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
6 | 末梢神経系に作用する薬物1 | (5)局所麻酔薬:ラットの角膜反射を指標に、局所麻酔薬の効果と持続時間を観察する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
7 | 末梢神経系に作用する薬物2 | (6)骨格筋に作用する薬物(in vivo):カエルを用いたClaude Bernardの実験を行い、d-ツボクラリンの作用点を推定する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
8 | 末梢神経系に作用する薬物3-1 | (7)骨格筋に作用する薬物(in vitro):カエル腹直筋を用い、アセチルコリンの効果を観察する。また拮抗薬(d-ツボクラリン)や協力薬(フィゾスチグミン)の影響もあわせて観察する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
9 | 末梢神経系に作用する薬物3-2 | (7)第8回の実習結果をもとに濃度反応曲線を書き、拮抗薬と協力薬の効果を確認する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
10 | 薬理学総論5-1 | (8)薬物の血中濃度の測定:サルファ薬をウサギに静脈内あるいは筋肉内投与し経時的に採血をする。その血液サンプル中のサルファ薬濃度を比色法で測定する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
11 | 薬理学総論5-2 | (8)第10回の実習結果をもとに薬物動態のパラメーターを算出する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
12 | 中枢神経系に作用する薬物1 | (9)中枢抑制薬:マウスを用いて全身麻酔薬(吸入麻酔薬)の効果を観察し、そのときのガス分圧を計算する。またHaffner法によりマウスにおける鎮痛薬の効果を観察する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
13 | 中枢神経系に作用する薬物2 | (10)中枢興奮薬:中枢興奮薬の作用(カエルの痙攣)を映像教材により観察し、その作用点を推定して中枢興奮薬の作用機序を考察する。 | 岡田 宗善 山脇 英之 大谷 紘資 |
14 | 総括I | 獣医薬理学実習Ⅰの総括(理解度の確認)を行う。 | 岡田 宗善 |
15 | 総括II | 獣医薬理学実習Ⅰの総括(理解度の確認)を行う。 | 岡田 宗善 |
1.既知の薬物(末梢・中枢神経系に作用する薬物)の薬理作用を生体および生体組織を用いた実験で具現できる。
2.薬物の薬理作用を証明するには、どのような実験方法を選択すればよいか説明できる。
3.得られた実験結果を論理的に解説できる。
1.各実習終了後にレポートを作成、提出すること。
2.レポートでは実習内容の理解度、課題の遂行や実験結果をもとに論理的な考察ができているか、などを総合的に評価する(評価結果はフィードバックする)。
3.レポートの提出遅れや未提出は減点する。
4.成績はレポート(20%)と定期試験(80%)の総合評価とする。
授業時間以外に必要な学習の時間:30時間
予習:初回に配布する資料に記載された実験方法をよく理解してから実習に参加する。また、使用する薬物の薬理作用を獣医薬理学の教科書等で事前に確認しておく。
復習:各実習終了後のレポート作成を通して実習内容の理解を深める。実際に得られた結果をもとに論理的な考察を行うこと。
この実習では動物を使用します。獣医師を目指す学生として動物福祉に叶う取扱をしてください。実習はグループで行いますが、皆さん1人1人が積極的に実習に参加し、協力して実習を進めていってください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 主に配布資料(初回に配布)を用いる。 | ||
参考書 | 獣医薬理学(第二版) | 日本比較薬理学・毒性学会 編 | 近代出版 |
参考書 | 薬理学・毒性学実験 第3版 | 比較薬理学・毒性学会 編 | 文永堂出版 |