獣医病理学Ⅰ
英文名Veterinary Pathology Ⅰ
科目概要獣医学科3年前期 [木曜日2・3時限(週2コマ)]、3群科目、必修、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎川口 博明 (※)
講義室B21講義室
備考科目ナンバリング:V301-GS34

授業の目的

獣医学が対象とする動物疾病の原因(内因と外因)と病理発生機序、病理学的特徴、病理学的分類および類症鑑別に関する基礎知識を修得し、それらを応用する基本的技能を身につける。

教育内容

病理学は病気の本質(腫瘍を含む疾病のプロセス、原因、経過および帰結など)を理解する学問である。総論では各種疾病に関する病理学的用語とその概念を習得することが重要である。さらに肉眼的および組織学的変化や総論的な病理発生機序を説明するとともに、病態解明のための病理学的研究法についても紹介する。

教育方法

教科書(動物病理学総論)、獣医病理カラーアトラスとパワーポイントスライドを使って重要な疾患(感染症や腫瘍など)の形態的変化および病理発生機序について説明していくが、それ以外の部分については各自の学習スタイルで教科書や参考文献を参照しながら自学自習する。なお、WebClassにパワーポイントスライドのPDF講義資料をアップロードするので、プリント配布は行わない。このPDF講義資料をSNSなどでWeb上に流出することは固く禁じる。講義内容等に関する質問と回答については全員に示すことでフィードバックを行う。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

〇DP1:生命科学の理解と高い教養及び倫理観の習得
◎DP2:動物の病気の診断・治療・予防に関する知識を持ち、適切に実践できる能力
〇DP4:医薬品の開発に寄与する能力
〇DP6:人獣共通感染症の制圧に寄与する能力

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1第1章 病理学の歴史と概念(1)健康と病気、病理学とは?川口 博明
2第1章 病理学の歴史と概念(2)病理学の歴史川口 博明
3第2章 細胞の基本構造と機能および細胞傷害メカニズム(1)細胞の基本構造と機能川口 博明
4第2章 細胞の基本構造と機能および細胞傷害メカニズム(2)細胞傷害のメカニズム川口 博明
5第3章 細胞および組織の傷害と死(1)細胞傷害の形態的変化、アミノ酸・蛋白質代謝異常川口 博明
6第3章 細胞および組織の傷害と死(2)糖質代謝異常、脂質代謝異常川口 博明
7第3章 細胞および組織の傷害と死(3)尿酸代謝異常、色素代謝障害、無機質代謝異常川口 博明
8第3章 細胞および組織の傷害と死(4)細胞死(壊死、アポトーシス)、組織の死、老化、封入体形成、死後変化川口 博明
9第4章 細胞の適応と分化異常(1)萎縮、肥大と増生(過形成)川口 博明
10第4章 細胞の適応と分化異常(2)化生、異形成川口 博明
11第5章 細胞の増殖と分化およびその異常(1)細胞増殖のメカニズム、幹細胞、細胞外マトリックス川口 博明
12第5章 細胞の増殖と分化およびその異常(2)再生、創傷治癒、線維化、瘢痕形成川口 博明
13第6章 循環障害(1)血液循環障害(充血、うっ血、虚血、出血、血液凝固、止血、血栓、塞栓、梗塞)川口 博明
14第6章 循環障害(2)水腫、ショック川口 博明
15第7章 炎症(1)炎症の概念、炎症における組織変化川口 博明
16第7章 炎症(2)炎症性細胞、炎症のメディエーター川口 博明
17第7章 炎症(3)急性炎症と慢性炎症、炎症の命名法と形態学的分類、炎症の全身的影響川口 博明
18第8章 免疫病理(1)免疫系と免疫応答、サイトカインネットワーク、アレルギー(過敏症)川口 博明
19第8章 免疫病理(2)移植免疫とMHC、自己免疫病、免疫不全症候群川口 博明
20第9章 腫瘍(1)腫瘍の定義、分類と命名、用いられる特殊な用語川口 博明
21第9章 腫瘍(2)肉眼的・組織学的にみた腫瘍の形と性状川口 博明
22第9章 腫瘍(3)転移、腫瘍の宿主への影響、腫瘍免疫川口 博明
23第9章 腫瘍(4)腫瘍の原因、腫瘍の種類川口 博明
24第10章 染色体、遺伝子および発生の異常(1)先天異常の原因川口 博明
25第10章 染色体、遺伝子および発生の異常(2)奇形の発生様式、奇形の分類川口 博明
26第11章 環境性疾患(毒性病理学の基礎)(1)毒性病理学の概念と研究手法川口 博明
27第11章 環境性疾患(毒性病理学の基礎)(2)原因別特徴(環境汚染物質など)川口 博明
28第12章 感染病理(1)感染症の分類、宿主寄生体関係川口 博明
29第12章 感染病理(2)病原体の傷害惹起機序と宿主の防御機構等川口 博明
30第13章 病理学的研究法組織学的研究法、免疫染色、超微形態学的研究法、分子病理学的研究法
川口 博明

到達目標

病理学総論に関する動物疾病の原因と病理発生、病理学的特徴、病理学的分類および類症鑑別に関する基礎知識を修得する。

評価方法

定期試験の成績で行う(100%)。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習時間:60時間】
予習:各回の授業内容について、教科書の対応するページに目を通すことで理解度が増します。
復習:講義および関連する実習の終了後、速やかに再度教科書の該当ページに目を通してください。

その他注意事等

実務経験の授業への活用方法:病理解剖と組織診断経験を踏まえ、病理発生機序や病理組織診断作業の過程を概説する。
WebClassでPDF資料を閲覧できるようにするため、プリントの配布は行わない。このPDF講義資料をSNSなどでWeb上に流出することは固く禁じる。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書動物病理学総論 第4版日本獣医病理学専門家協会編文永堂出版
教科書動物病理学各論 第3版日本獣医病理学専門家協会編文永堂出版
教科書動物病理カラーアトラス 第2版日本獣医病理学専門家協会編文永堂出版
参考書新毒性病理組織学日本毒性病理学会編西村書店(2017年)
参考書組織病理アトラス 第6版小田義直ら文光堂
参考書小動物における細胞診の初歩の初歩酒井洋樹緑書房(2016年)