英文名 | Veterinary Virology Laboratory | |
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科目概要 | 獣医学科2年後期 [金曜日4・5・6時限(週3コマ)]、3群科目、必修、実習、1単位(45時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎土岐 朋義、 髙野 友美、 田邊 太志、 山本 聡美、 担当者全員 | |
講義室 | A23実習室、B31講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VV304-GH24 |
ウイルス感染症の診断・予防・治療にはウイルスの特性や宿主とウイルスの相互作用を理解する必要がある。これらの目標を達成するため、ウイルスの増殖・定量法・病原性を理解すると共にウイルス検査法および感染免疫などについて学ぶ。
1) ウイルスの研究に必要な細胞培養法を理解する。
2) ウイルスの増殖法を理解する。
3) ウイルスの定量法を理解する。
4) ウイルス感染症の診断における基礎的な技術を理解する。
パワーポイントと配布資料を用いて講義した後、実技を行う。定期的に小テスト(レポート)を課して理解度を確認する。提出された小テストの解答内容を踏まえて解説を行い(フィードバック)、課題と授業に対する理解度を深める。
ウイルスに対する基礎的・実学的な知識を習得し(DP1)、ウイルス感染症の診断に対応できる基礎的・実学的な技術を習得する(DP2)。
◎DP1:生命科学の理解と高い教養及び倫理観の習得
◎DP2:動物の病気の診断・治療・予防に関する知識を持ち、適切に実践できる能力
DP3:食品の安全性の確保と供給に資する能力
DP4:医薬品の開発に寄与する能力
DP5:野生動物の保全に寄与する能力
DP6:人獣共通感染症の制圧に寄与する能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 組織培養法 | 株化細胞の継代および形態観察 | 担当者全員 |
2 | ウイルスの分離培養法 | 株化細胞におけるウイルスの増殖および細胞変性効果の観察 | 担当者全員 |
3 | ウイルスのトロピズム | ウイルス感染におけるウイルスレセプターの利用能の観察 | 担当者全員 |
4 | 消毒薬の有効性 | 各消毒薬の殺ウイルス効果 | 担当者全員 |
5 | IFNの抗ウイルス 効果 | インターフェロン(IFN)感作細胞へのウイルスの感染性の観察 | 担当者全員 |
6 | ウイルス感染価の測定I | 50%組織培養細胞感染価の算定 | 担当者全員 |
7 | ウイルス感染価の測定II | プラック形成単位の算定 | 担当者全員 |
8 | 赤血球凝集反応 | ウイルスによる赤血球凝集(HA)反応の観察及びHA価の算定 | 担当者全員 |
9 | 赤血球凝集阻止試験 | 抗体による赤血球凝集阻止(HI)反応の観察及びHI価の算定 | 担当者全員 |
10 | ウイルス中和試験 | ウイルス中和抗体の検出及び中和試験による中和抗体価の算定 | 担当者全員 |
11 | 蛍光抗体法(FA) | 蛍光抗体法(間接法)によるウイルス抗原の検出 | 担当者全員 |
12 | ELISA | ELISA(間接法)による抗ウイルス抗体の検出 | 担当者全員 |
13 | ウイルス遺伝子の抽出 | ウイルス感染細胞からのウイルス遺伝子の抽出 | 担当者全員 |
14 | PCR法および電気泳動法 | PCR法によるウイルス遺伝子の増幅及び電気泳動法による観察 | 担当者全員 |
15 | 実習の総括 | 実習内容のまとめ、習熟度の確認 | 担当者全員 |
1. ウイルス検査法における組織培養の意義、組織培養法、組織培養液などを理解し、説明できる。
2. ウイルスの細胞変性効果およびトロピズムを理解し、説明できる。
3. ウイルス感染価、中和抗体価、HA価、HI価の算定方法を理解し、説明できる。
4. ウイルス検査法に関わる技術 (FA, ELISA, PCR法など)を理解し、説明できる。
5. ウイルスに対して有効な消毒薬およびインターフェロンについて理解し、説明できる。
6. 実習で実施した手法、使用器具、観察方法などの意義について理解し、説明できる。
7. 他の班員と協調して実習を遂行できる。
定期試験の結果・病原体の取り扱いに対する姿勢・実験への参加 (95%)、実習の各項目における判定結果および小テスト(またはレポート)の結果 (5%) から総合的に判定する。前回の実習の結果を実習班毎に判定・討議してもらい、その結果を所定の用紙に記載して提出する。提出内容に不備がある場合は次回の実習で担当教員からコメントする。
授業時間外に必要な学習の時間:10時間。
予習:次回の実習の項目について、実習書および参考図書を利用して基本知識を得ておく。
復習:習得した実習内容について、理解を深めるために復習すること。小テスト(またはレポート)で復習をする。
確認:実習中の空き時間(反応時間など)を利用して教員または研究室員に実習内容を確認すること。
ウイルス学実習は、結果判定に数日を要することがある。例えば、ウイルスを細胞に接種した後に細胞変性効果が出現するまで2-4日必要とする。このため、金曜日以外の放課後に結果判定を行う場合があることを予め認識しておく。また、病原体を扱う実習であるので、白衣・上履きを必ず着用すること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 獣医ウイルス学実習書 | 高野友美 編 | 北里大学獣医伝染病学研究室 |
参考書 | 微生物学実習提要(第2版) | 東京大学医科学研究所学友会 編 | 丸善 |
参考書 | ウイルス感染症の検査・診断スタンダード | 田代真人・牛島廣治 編 | 羊土社 |