獣医ウイルス学
英文名Veterinary Virology
科目概要獣医学科2年後期 [金曜日3時限(週1コマ)]、3群科目、必修、講義、1単位(15時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎髙野 友美
講義室B31講義室
備考科目ナンバリング:VV301-GH24

授業の目的

ウイルスの特殊な性質、生物界における位置づけ、多彩な生存戦略などウイルスと他の微生物の相違点を理解し、ウイルス感染症の診断、治療、予防のための基礎知識を習得する。

教育内容

1) ウイルス学の総論を講義する。
2) ウイルス学の各論(DNAウイルスおよびRNAウイルス)を講義する。
3) ウイルス感染症の診断、治療および予防の理解に必要な基礎知識を説明する。

教育方法

WebClassに掲載した資料を用いて講義する。講義時間で補えない内容はWebClassで講義動画を掲示する。講義の冒頭で、前回までの授業で学んだ内容について獣医師国家試験レベルの問題を提示し、解答および解説を行う。また、ウイルス感染症に関する実際の実例を報道資料を交えて説明し、ウイルスについての理解を深めてもらう。WebClassにおいて講義内容に則した自習用の問題を掲載してその正答率を確認する(解答終了後にその場で正答・解説を確認できる)。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

◎DP1:ウイルスに関する専門知識とウイルスの取り扱い
〇DP2:ウイルス感染症の診断、治療、予防。

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1ウイルス学総論;ウイルスの一般性状ウイルス研究の歴史、ウイルスの定義、形と大きさ、基本構造、化学組成、物理・化学的要因に対する抵抗性、他髙野 友美
2ウイルスの一般性状ウイルスの定義、形と大きさ、基本構造、化学組成、物理・化学的要因に対する抵抗性、他髙野 友美
3ウイルスの分類分類の概要、ウイルスの命名、分類基準、動物ウイルスの分類、その他、参考となるウイルス分類例、他髙野 友美
4ウイルスの培養と検出法ウイルスの培養、ウイルスの増殖の指標と定量、ウイルスの増殖過程、他髙野 友美
5ウイルスの培養と検出法ウイルスの培養、ウイルスの増殖の指標と定量、ウイルスの増殖過程、他髙野 友美
6ウイルスの変異と遺伝変異と変異体、ウイルスの遺伝子・産物の相互作用、遺伝子工学、他髙野 友美
7ウイルス感染と発症細胞レベルでの感染の様式、個体レベルでの感染、感染症の基本型、ウイルスの伝播様式、ウイルスの感染症と免疫、感染症の治療法(抗ウイルス薬、インタフェロンと免疫製剤、遺伝子治療)、ワクチンと予防接種髙野 友美
8ウイルス感染と発症細胞レベルでの感染の様式、個体レベルでの感染、感染症の基本型、ウイルスの伝播様式、ウイルス感染症の免疫、ウイルス感染症の検査法、他 髙野 友美
9各論:DNA核酸を持つウイルスポックスウイルス、アスファウイルス、イリドウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、他髙野 友美
10DNA核酸を持つウイルスポリオーマウイルス、パピローマウイルス、サーコウイルス、パルボウイルス、ヘパドナウイルス、他髙野 友美
11RNA核酸を持つウイルスレオウイルス、ビルナウイルス、ボルナ病ウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、オルトミクソウイルス、他髙野 友美
12RNA核酸を持つウイルスブニヤウイルス、アレナウイルス、ピコルナウイルス、カリシウイルス、アストロウイルス、ノダウイルス、コロナウイルス、アルテリウイルス、フラビウイルス、トガウイルス髙野 友美
13RNA核酸を持つウイルスレトロウイルスはウイルスのなかでも特に他のウイルスとは大きく異なる性状を持つ。髙野 友美
14プリオンとプリオン病プリオンはウイルスとは異なる。では、プリオンはどんな性状を持ちウイルスとはどこがどのように異なるのか。髙野 友美
15総括と理解度の確認試験ウイルス学の全過程を総括すると共に理解度の確認試験を実施する。髙野 友美

到達目標

動物ウイルスの構造、増殖方法、種類と性状、ウイルス感染症の特徴を説明できる。ウイルス感染症の診断、治療、予防のための基礎知識を習得し説明できる。

評価方法

定期試験(95%)を中心とするが、講義内容に対する質問・受講態度など(5%)も考慮して総合的に評価する。

準備学習(予習・復習等)

授業時間外に必要な学習時間:30時間。予習:教科書『獣医微生物学』の各回の授業内容に関する箇所を学習しておくこと。Webclassには講義前に資料を掲載するのでその内容を確認する。復習:Webclass掲載資料と教科書を比較し、復習しておくこと。不明な箇所は、オフィスアワー等を利用して、積極的に質問すること。講義内容の理解度を確認するためにWebclassに提示された自習用問題を解くこと。

その他注意事等

ウイルスの基礎研究は生物学の発展に貢献するとともにウイルスが示す病原性の防圧にも大きく貢献している。現在、ヒトではウイルスの性状を逆手に上手く利用した遺伝子治療の研究が行われており、ある種の病気では実際に治療に利用されている。一方、動物に感染するウイルスは我々が対象とする牛や犬など多くの動物に病原性を示しその防圧が重要な問題となっている。即ち、ウイルスは人類や動物に対して正の面、負の面の両方を兼ね備えた微生物であることを理解する必要がある。ウイルス感染症は第3学年以上で重要な部分を占めるので十分な基礎知識を習得すること。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書獣医微生物学 (第4版) 公益社団法人 日本獣医学会 微生物分科会 編文永堂出版
教科書コアカリ 獣医微生物学公益社団法人 日本獣医学会 微生物分科会 編文英堂出版
参考書(なし)