生態リモートセンシング
英文名Remote-Sensing for Ecology
科目概要生物環境科学科3年後期 [水曜日3時限(週1コマ)]、3群科目、選択、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎田中 勝千
講義室841講義室
備考科目ナンバリング:VE301-RS39
JABEE認定プログラム履修の手引き(表3・14)との関連E

授業の目的

 1970年代に資源探査衛星として打ち上げられたランドサットは鳥瞰図を示すことで驚愕の印象を与えた。21世紀に入り、計測技術の進展によって点の情報から面の情報を入手するための手法としてリモートセンシングが再び脚光を浴びている。講義ではリモートセンシングの実例を提示することで現状の理解と生態系計測へ応用する場合の基礎技術の理解を目指す。

教育内容

 天気予報や作物の収穫予測、さらには宇宙観測を含め幅広い分野で利用されているリモートセンシングの実例について紹介する。その上で、生態系の観測に焦点を絞り、関連する知識と技術の基礎的事項について掘り下げると共に、ハイパースペクトルセンサの利用と解析例を紹介する。近年では衛星リモートセンシングの計測精度の向上やSAR技術を使った能動型のセンシングが耕作放棄地の推定や地盤沈下の予測に利用されている。これらの例を含め、テキストにある実施例を元に基礎事項との関連を説明する。

教育方法

 授業形式。第13回の講義終了後受講者を10名程度のグループに分け、現場への適用例を題材に講義で学んだ内容がどのように利用されているのかについてグループ毎にパワーポイントを使って発表し、それを受講者全員が評価する。また、発表した内容について各個人がレポートとして提出することで授業内容の定着を図る。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

 DP1:豊かな人間性と高い倫理観
 DP2:環境科学に関する理解と高度の知識・技能
〇DP3:生態系機能の解明と理解を基盤に環境保全に貢献できる能力
〇DP4:環境資源の維持と修復に寄与する能力
〇DP5:環境保全に関わる社会の多様な要請に応えられる問題解決能力

授業内容(シラバス)

項目内容担当者日時
1ガイダンス/衛星リモートセンシング最新の衛星と分解能・観測バンドおよびバンド数を紹介する。田中 勝千
9/20③
2多様なデータに対応する解析手法多様なデータに対応するための解析手法を紹介する。田中 勝千
9/27③
3ハイパースペクトル観測に基づく観測例1ハイパースペクトルの定義と特徴について学ぶ。精密農業との関わりについて学ぶ。田中 勝千
10/4③
4ハイパースペクトル観測に基づく観測例2飼料畑(トウモロコシ畑)・飼料畑(牧草地)の解析と応用について学ぶ。田中 勝千
10/11③
5リモートセンシング画像解析の基礎人工衛星の画像の空間分解能・波長分解能・時間分解能について学ぶ。田中 勝千
10/18③
6葉の分光反射特性単葉の分光反射特性について学ぶ。田中 勝千
10/25③
7葉群の分光反射特性葉群の分光反射特性について学ぶ。

田中 勝千
11/1③
8植生と土壌の分光反射特性植生と土壌の分光反射特性について学ぶ。田中 勝千
11/15③
9中間試験と解説前週までの講義内容の理解の確認。田中 勝千
11/22③
10多重分光データの基礎1分光データの物理的基礎について学ぶ。田中 勝千
11/29③
11多重分光データの基礎2比演算処理による衛生データ正規化について学ぶ。田中 勝千
12/6③
12SAR(合成開口レーダ)SARの歴史と基本原理田中 勝千
12/13③
13NDVIの諸問題、リモートセンシングの実施技術NDVIを利用する上での諸注意を学ぶ。また、統計手法に基づくサンプリング等実施に関する必要事項を学ぶ。田中 勝千
12/20③
14リモートセンシングの応用例についてテキストの実例を基に自ら調べることで講義内容の理解を深める(プレゼンテーション)。田中 勝千
1/10③

到達目標

(1) 画像解析の基礎について説明できる。
(2) 植物の分光反射特性について説明できる。
(3) 植生指数について計算できる。
(4) 環境・生態系計測に利用されている技術について説明できる。
(5) 環境・生態系を対象としたリモートセンシングの現状と応用例について説明できる。

評価方法

 中間試験(45点)と期末試験(45点)およびプレゼンテーション・レポート(10点)の合計で評価する。また、欠席は-5点、遅刻は-2点として評価点に換算する。再試験は、学習時の記録を参考に一度認めることがある。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:テキストと配布資料を参考に予習すること。
復習:耳慣れない専門用語が頻出するので、各項目を復習し、専門用語の適切な使い方を理解すること。
   

その他注意事等

 講義の前半部分で取り挙げるリモートセンシングの基礎については、農業リモートセンシング・ハンドブックを参考に授業を進める。ハイパースペクトルセンサを用いた解析方法や応用例についてはテキストとして挙げた農業リモートセンシング・ハンドブック増補版を使う。関数機能付き電子卓上計算機を持参すること。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書農業リモートセンシング・ハンドブック 増補版秋山 侃 他10名(編著)システム農学会
参考書リモートセンシングの応用・解析技術
農林水産・環境・防災から建設・土木、高精度マッピングまで
中山 裕則 杉浦 俊郎(監修)NTS
参考書植生のリモートセンシング H.G.Jones・R.A.Vaughan(著)
久米 篤・大政 謙次(監訳)
森北出版
参考書農業・環境分野における先端的画像情報利用
 ー ファイトイメージングからリモートセンシングのまで ー
大政 謙次(編著)社団法人 農業電化協会
参考書森林リモートセンシング 第3版加藤 正人(編著)J-FIC
参考書基礎からわかるリモートセンシング 日本リモートセンシング学会(編)理工図書