英文名 | Hydrology | |
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科目概要 | 生物環境科学科3年後期 [月曜日1時限(週1コマ)]、3群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎樽屋 啓之※ | |
講義室 | 841講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VE301-RS24 | |
JABEE認定プログラム履修の手引き(表3・14)との関連 | E |
水環境の骨格を構成している水文学的水循環の機構を理解し、それらの機構と人間生活や生態系との関わりの理解を通じて、自然と社会の保全のための基礎的な水文解析技術を習得し、降水、蒸発散、浸透、流出等に基づく基礎的な水収支を計算することができるようになる。水文学的水循環の理解を通じて、地球環境を視野に入れた動植物資源の利用と環境保全の重要性の理解(カリキュラムポリシー)を達成する。
水文学の基礎としての、降水、蒸発散、浸透、流出、融雪などの水文循環の素過程を説明する。以上の観測データに基づく水収支の内訳と計算法を解説する。各種の流出モデルの構造、各種の水文・気象パラメータの観測方法及び推定方法等を解説する。
教科書に沿って進め、講義は教科書の予定範囲の予習を促す。また、講義中にテキストの予習・復習範囲、演習問題の予習・復習範囲を説明し、講義の冒頭では前回の復習を行い、予告した範囲の解説と問題演習等を行う。期間中のレポート提出を必須とする。質問を随時受け付け、誤答の多い演習課題の添削や模範的レポートの紹介を通じて学生にフィードバックする。
DP1:豊かな人間性と高い倫理観
〇 DP2:環境科学に関する理解と高度の知識・技能
〇 DP3:生態系機能の解明と理解を基盤に環境保全に貢献できる能力
◎ DP4:環境資源の維持と修復に寄与する能力
◎ DP5:環境保全に関わる社会の多様な要請に応えられる問題解決能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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1 | オリエンテーション | 水文学で学ぶ内容、水文学的水循環について概説する。 | 樽屋 啓之 | 9/25① |
2 | 気象と降水(1)太陽放射と熱収支 | 水文循環の原動力となる太陽放射エネルギーの性質と、それによって引き起こされる大気や海流の循環機構、太陽放射の熱収支を論じる。 | 樽屋 啓之 | 10/2① |
3 | 気象と降水(2)雲と降水 | 水蒸気から雲が生成される過程を論じ、それらが降水へとつながる気象プロセスの基礎と降雨解析手法を学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 10/10① |
4 | 気象と降水(3)降水の発生原因 | 降水の発生原因について、対流型、山岳型、旋風型等による分析法や近年の台風の大型化や河川災害との関係を論じる。 | 樽屋 啓之 | 10/16① |
5 | 水文学の基本概念(1) | 水収支法、エネルギー収束法、質量輸送法などを通じて蒸発散推定の基本と計算法を解説する。 | 樽屋 啓之 | 10/23① |
6 | 水文学の基本概念(2) | 遮断、窪地貯留および表面滞留のプロセスと推定方法の基礎と計算法を解説する。 | 樽屋 啓之 | 10/30① |
7 | 水文学の基本概念(3) | ホートン流による浸透の古典的考え方とともに、パイプ流や側方流などの早い流出成分の考え方の基礎と計算法を解説する。 | 樽屋 啓之 | 11/6① |
8 | 雪の水文学 | 雪の形成と積雪過程の基礎を学び、水資源および水循環における位置づけと重要性を論じる。 | 樽屋 啓之 | 11/13① |
9 | 地下水 | 土壌水と地下水の移動プロセスについて解説する。 | 樽屋 啓之 | 11/20① |
10 | ハイドログラフとその特性(1) | 流出量の時間変化が、その地域の地形的土壌的な特徴や植生などを通じた重要な水文特性であることを学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 11/27① |
11 | ハイドログラフとその特性(2) | ハイドログラフの成分分離、減衰特性の分析を通じて、表面流や地下水の挙動、流出特性を把握する手法を解説する。 | 樽屋 啓之 | 12/4① |
12 | 流出解析(1) | 小流域の流出解析の基本原理と合理式による解析法を解説する。 | 樽屋 啓之 | 12/11① |
13 | 流出解析(2) | 現場で一般的によく利用される流出解析法を紹介して解説する。 | 樽屋 啓之 | 12/18① |
14 | まとめ | 水文学と工学的諸問題、地球温暖化問題等の関係について論じる。講義で説明した水文学の各プロセスと計算法等をまとめる。 | 樽屋 啓之 | 1/15① |
水文学の基礎として、降水、蒸発散、浸透、流出、融雪などの水文循環の素過程についてその概略を説明できる。実測データ等を用いて与えられた条件下での水収支を計算できる。各種の流出モデルの構造、各種の水文・気象パラメータの観測方法及び推定方法を説明できる。
成績評価は、期間中のレポート(20%)期末試験(80%)で行う。
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:教科書に沿って進め、講義は教科書の予定範囲の予習がなされていることを前提とする。講義中にテキストの予習範囲、演習問題の予習範囲を説明する。
復習:講義中にテキストの復習範囲を説明し、講義の冒頭では前回の復習を行い、予告した範囲の解説と問題演習等を行う。
実務経験の授業への活用方法:水路システム工学の実務経験を活かし、ダム管理や水路現場での実例を示しながら、河川水理量の計算・計測法と水文現象の見極め方等を指導する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 水文学の基礎 | 水村和正 | 東京電機大学出版局 |
参考書 | 地域環境水文学 | 田中丸治哉、大槻恭一、近森秀高、諸泉利嗣 | 朝倉書店 |
参考書 |