英文名 | Water Environment | |
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科目概要 | 生物環境科学科2年前期 [月曜日2時限(週1コマ)]、3群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎樽屋 啓之※ | |
講義室 | 831講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VE301-RS13 | |
JABEE認定プログラム履修の手引き(表3・14)との関連 | E |
科目 | 教科に関する科目(高等学校 農業) |
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施行規則に定める科目区分 |
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十和田キャンパスが立地する三本木原開拓の実例からの学びを通じて、先人の開拓精神によって誕生した農業水利システムが水利基盤として、食糧生産、公衆衛生、One Healthに果たす役割を理解する。さらに、農業水利システムが生物環境、水域環境、地域環境に果たす役割、農業水利システムが水田水管理、畑地水管理、地域水循環に果たす役割を理解し、地球環境を視野に入れた動植物資源の利用と環境保全の重要性の理解(カリキュラムポリシー)を達成する。
地元にある豊富な水域環境の現場や営みを紹介し、実際に訪れ調べさせることを通じて座学の理解を深める。歴史的に地域の水域環境を育んできた三本木原開拓による農業水利システムの変遷を通して、地域における水域環境の意義の理解を深める。
各回の講義終了時に次回のテーマと範囲を教科書等で予告し、各回の講義の冒頭では、前回の復習と関連する情報を紹介する。随時質問を受け付け、Moodle等を活用してフィードバックを行う。地元の副読本を活用して、地域に対する理解を深め思いを共有する。
◎ DP1:豊かな人間性と高い倫理観
〇 DP2:環境科学に関する理解と高度の知識・技能
〇 DP3:生態系機能の解明と理解を基盤に環境保全に貢献できる能力
◎ DP4:環境資源の維持と修復に寄与する能力
◎ DP5:環境保全に関わる社会の多様な要請に応えられる問題解決能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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1 | オリエンテーション | 水環境学で学ぶ内容を概説する。 | 樽屋 啓之 | 4/10② |
2 | 水域環境と農業水利システム(1) | 農業水利システムによる水管理(Water Management)の基礎を学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 4/17② |
3 | 三本木原開拓(1) | 新渡戸三代の三本木開拓における業績・役割と現代に通じる功績を学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 4/24② |
4 | 三本木原開拓(2) | 稲生川の改修やシステムの更新・再編の歴史と現状を学ぶ。水野陳好氏の功績を学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 5/8② |
5 | 三本木原開拓(3) | 三本木原開拓の基幹施設、水路、流域水環境の現地見学を通じて、前半で学んできたことの理解を深める。 | 樽屋 啓之 | 5/15② |
6 | 水域環境と農業水利システム(2) | 現代農業水利システムにおける水管理方式と分水コントロール方式の基礎を学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 5/22② |
7 | 水田水管理のしくみ | 水田圃場や広域水田の用排水計画の考え方、水域環境に及ぼす影響について学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 5/29② |
8 | 畑地水管理のしくみ | 畑地の用排水計画の考え方、水域環境に及ぼす影響について学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 6/5② |
9 | 農地排水のしくみ | 圃場排水、暗渠排水、地下潅漑、地区排水計画、汎用農地化技術等について学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 6/12② |
10 | 水域環境と農業水利システム(3) | 農業水利システムへのICT導入の動向について学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 6/19② |
11 | 水域環境と農業水利システム(4) | 農業水利システムが農業の多面的機能に果たす役割について学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 6/26② |
12 | 水域環境と農業水利システム(5) | 農業水利システムや土木工学が地域の公衆衛生、One Healthに果たす役割について学ぶ。中村哲医師の功績から学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 7/3② |
13 | 水域環境と農業水利システム (6) | 農業水利システムと開拓精神の関係を学ぶ。農業海外援助について学ぶ。新渡戸稲造博士、八田與一技師の功績から学ぶ。 | 樽屋 啓之 | 7/10② |
14 | 三本木原開拓(4) | 奥入瀬川流域、三本木原台地における農業水利システムの変遷と水域環境との関係を考察する。 | 樽屋 啓之 | 7/19② |
農業水利システムを計画設計するために、水理学をはじめ各種力学,水文学,測量学等を学ぶ必要性を理解する。地元の誇る歴史的開拓(三本木原開拓)を生きた教材として学び、開拓者の精神と現代に通じる意義を理解する。水路システムの技術が流域の水域環境保全に重要な役割を果たしていること、さらに海外の農業開発援助、環境保全、公衆衛生保全、One Healthの実現に繋がることを理解できる。
講義後の期末試験(100%)で行う。
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:各回終了時に次回の予習の範囲を教科書で予告する。1時間。
復習:各回の講義の冒頭では、前回の講義の復習を行うとともに、予告した範囲の問題演習を行う。1時間。
実務経験の授業への活用方法:水路システム工学に基づく農業水利システムにおける水路等の施設計画設計実務者としての経験を、全国各地の事例解説を通じて講義に取り入れる。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 農業水利のための水路システム工学 | 中達雄、樽屋啓之 共著 | 養賢堂 |
教科書 | 荒野に町をつくれ 三本木原開拓ものがたり | 川口泰英 著 | 北方新社 |
参考書 | 地域環境水利学 | 渡辺紹裕、堀野治彦、中村公人編著 | 朝倉書店 |