英文名 | Environmental Radiology | |
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科目概要 | 生物環境科学科3年前期 [月曜日3時限(週1コマ)]、3群科目、選択、講義、1単位(15時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎髙松 利恵子、 武田 晃※ | |
講義室 | 841講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VE301-RS36 | |
JABEE認定プログラム履修の手引き(表3・14)との関連 | E、H |
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、環境への放射性物質の放出が問題となった。とりわけ農業分野での被害が甚大であり、それらを解決するためには多くの専門的知識が必要である。
本講義は農地土壌および土壌-植物における放射性物質の動態についての知識を学習し、それらを基にした修復技術の基礎を習得する。
農耕地土壌中の放射性物質の動態について理解できるように土壌の化学的特性の基礎的部分を説明する。
土壌-植物における放射性物質の動態や修復技術については報告書や論文を基に最新の知見を紹介する。
PPTを板書の代わりに用いて、講義形式ですすめる。
教科書以外にも必要なグラフなどは別途プリントで配布する。
授業の最後に小テストを行い理解を深める。小テストの解答については次回の授業で説明する。
また小テストの用紙に質問があれば書いてもらい、授業中に回答する。
○ DP4: 環境資源の維持と修復に寄与する能力
◎DP5: 環境保全に関わる社会の多様な要請に応えられる問題解決能力
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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1 | 放射性物質による土壌汚染 | 土壌汚染とは | 髙松 利恵子 | 4/4③ |
2 | 土壌の特性 | 粘土鉱物について | 髙松 利恵子 | 4/11③ |
3 | 土壌と放射性物質 | 土壌中における放射性物質の動態 | 髙松 利恵子 | 4/18③ |
4 | 農作物への移行 | 土壌から植物への移行係数、農作物の汚染 | 髙松 利恵子 | 4/25③ |
5 | 作物への吸収抑制技術・除染技術 | カリウムによるセシウム吸収抑制の紹介、除染技術の紹介 | 髙松 利恵子 | 5/9③ |
6 | 環境中の放射性物質の動態1 | 環境中の放射性物質の動態についての研究紹介(土壌洗浄・ファイトレメディエーション確立に向けた基礎的研究) | 髙松 利恵子 | 5/16③ |
7 | 環境中の放射性物質の動態2 | 環境中の放射性物質の動態についての研究紹介(武田) | 髙松 利恵子 武田 晃 | 5/23③ |
1)放射性物質による環境汚染として土壌汚染がなぜ大切なのかを説明できる。
2)土壌中のセシウムの形態(粘土鉱物への固定など)を理解する。
3)土壌から植物への「移行係数」を理解する。
4)最新の修復技術を把握し、現場に適した技術を挙げられる。
定期試験を60%、レポートと小テストの合計を40%として評価する。小テストの解答については次回の授業時に説明する。
小テストの提出で出欠状況を把握する。欠席に関しては試験細則第5条を適用する。
【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
予習:テキストの該当箇所を読んでおくこと、また専門用語の意味を調べておくこと。重要な予習の内容についてはレポートとして提出してもらう。
復習:毎回、講義の終わりに小テストをする。できなかった箇所をしっかりと復習すること。
「土壌学」に関する講義がないため、先ず初めに土壌学の基礎を学習する。また、土壌中の放射性物質移動は「土壌物理学」で学んだ知識が必要であるため、
同時期に開講される土壌物理学も履修して欲しい。
実務経験の授業への活用方法:除染に関する研究に携わっている経験から、研究成果による社会への還元の意義を理解する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 土壌汚染 フクシマの放射性物質のゆくえ | 中西友子 | NHK出版 |
参考書 | フクシマ 土壌汚染の10年 -放射性セシウムはどこへ行ったのか- | 中西友子 | NHK出版 |
参考書 | 放射能除染の土壌科学-森・田・畑から家庭菜園まで- | 宮﨑毅他 | (公)日本学術協力財団 |
参考書 | 土とは何だろうか? | 九馬一剛 | 京都大学学術出版会 |