生徒指導論
英文名Student Counseling and Guidance
科目概要動物資源科学科2年集中、教職課程科目、必修、講義、2単位(30時間)
生物環境科学科2年集中、教職課程科目、必修、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎未定
講義室112講義室
備考科目ナンバリング:VE601-TC25

教員免許取得のための必修科目

科目教育の基礎的理解に関する科目等(道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目)
各科目に含めることが必要な事項
  • 生徒指導の理論及び方法

授業の目的

 生徒指導は、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して教育活動全体を通じ行われる、学習指導 と並ぶ重要な教育活動である。他の教職員や関係機関と連携しながら組織的に生徒指導を進めていくために必要な知識・技術や素養を身に付ける。
  中・高校生期は急激な肉体的変化と保護者からの精神的自立の達成から経済的自立への準備活動を行う時期である。学童期からの精神心的・肉体的発達ら関する 理解なくして生徒指導は成立しない。また、青年期は歴史的に成立したものであるから、この事情について十分な理解が必要である。
 そこで、青年期 の肉体的変化に留意しながら、自立という観点から学童期から青年期までの発達を概観する。さらに、青年期の発生を歴史的にとらえ、現代青年の発達課題を明らかにする。その上に立って、不登校・登校拒否、いじめ、非行、校内暴力などの問題を取り上げ、様々な教育実践を紹介し、これに学びながら、これらの諸問題に対処する基本的な考え方を理解する。

教育内容

 生徒指導の内容、理念、歴史、意義と課題を講じて生徒指導を概観する。その上に立ち、生徒指導を教育課程に位置づける意義と意味を講ずる。そして、生徒指導実践における集団指導と個別指導のやり方と意味、両者の関係を講じて、効果的な両者の組み合わせを紹介する。
 近年学校教育の中で規範意識と懲戒、ゼロトレランスが強調されがちだが、それに伴う問題を講じて、強制や罰則に頼るのではなく、生徒と教師の相互理解と合意に基づく生徒指導の例を紹介する。また、青年期の大きな問題である非行、いじめ、不登校、性に関する問題行動の社会的背景、直接的原因と対処を講じる。その上に立って、生徒の自己存在感を高める指導と教師集団の体制作りを講じる。

教育方法

 講義要約を配布して講義形式を中心として教育する。
 講義内容に沿って発問して受講者の意見とその根拠の説明を求めたり、レポート提出を要求したりする。
 必要に応じて視聴覚教材を用いて、それに関するレポート提出を要求する。
 レポート課題は次回講義の準備となるので、記述すべき項目と内容は講義レジュメとそれに基づいた口頭説明で明らかにされる。レポートを点検の上、コメントを付けて返却する。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

授業内容(シラバス)

項目内容
1教育課程における生徒指導の位置付け1.教育課程と生徒指導
(1)生徒指導の内容と理念
(2)生徒指導の歴史
(3)生徒指導の意義
(4)生徒指導の課題
2.教育課程における生徒指導の位置付け
(1)教育課程の共通性と生徒指導の個別性
(2)学習指導における生徒指導
(3)学習上の不適応と生徒指導
(4)豊かな人間性の育成及び教育課程外における生徒指導
◎教科書2のp. 202-207、教科書1のpp. 1-8を読了しておくこと。
2各教科、道徳教育、総合的な学習の時間、特別活動における生徒指導の意義や重要性 3.教育課程と生徒指導
(1)教科における生徒指導
(2)道徳教育における生徒指導
(3)総合的な学習の時間における生徒指導
(4)特別活動における生徒指導
◎教科書1のpp. 25-41を読了しておくこと。
3集団指導・個別指導の方法原理
生徒指導体制と教育相談体制それぞれの基礎的な考え方と違い
4.集団指導・個別指導の方法原理
(1)集団指導と個別指導の意義
(2) 集団指導の方法原理
(3) 個別指導の方法原理
5.生徒指導体制と教育相談体制
(1)生徒指導体制
①生徒指導の方針・基準の明確化・具体化
②全教職員による共通理解・共通実践
③実効性のある組織・運営の在り方
④学校の生徒指導組織の位置、役割と機能
(2)教育相談体制
①生徒指導と教育相談
②学校における教育相談の特質
③ 教育相談の体制づくり
④ 組織的な教育相談
◎教科書1のpp. 14-21、pp. 81-82、pp. 98-103を読了しておくこと。
4学級担任、教科担任その他の校務分掌上の立場や役割並びに学校の指導方針及び年間指導計画に基づいた組織的な取組の重要性6.学級担任・ホームルーム担任の指導
(1)生徒指導における学級担任の立場
(2)生徒指導の基盤としての学級経営
(3)学級経営と生徒指導の進め方
(4)開かれた学級経営の推進
7.生徒指導の年間指導計画
(1)指導の「目標」と「基本方針」の確立
(2)指導する「時期」と「内容」の検討・改善
(3)教職員の当事者意識の醸成と組織的な体制の確立
(4)家庭や地域との連携と情報の発信
◎教科書1のpp. 87-88、pp.146-150を読了しておくこと。
5基礎的な生活習慣の確立や規範意識の醸成等の日々の生徒指導の在り方
校則、懲戒、体罰等の生徒指導に関する主な法令の内容(1)
※高等学校においては停学及び退学を含む。
8.規範意識と校内規律
(1)規範意識の醸成に関する指導
(2)校内規律に関する学校の指導
9.校則、懲戒、体罰
(1)校則の根拠法令
(2)校則の内容と運用
(3)懲戒の種類
(4)懲戒の根拠法令
(5)懲戒の手続
(6)体罰の禁止
(7)出席停止
◎教科書1のpp. 153-156、pp. 204-207を読了しておくこと。
6基礎的な生活習慣の確立や規範意識の醸成等の日々の生徒指導の在り方
校則、懲戒、体罰等の生徒指導に関する主な法令の内容(2)
※高等学校においては停学及び退学を含む。
10.規範意識と懲戒をめぐって
(1)割れ窓理論
(2)ゼロトレランスとは何か
(3)ゼロトレランスの問題点
◎教科書2のpp. 230 - 231を読了のこと。
7暴力行為、いじめ、不登校・不登園等の生徒指導上の課題の定義及び対応の視点(1)11.児童生徒の問題行動
(1)問題行動の定義
(2)非行
①非行の定義
②貧困型非行と遊び型非行
③非行の年次変化
◎教科書2のp. 229-232、教科書1のpp. 162-183を読了しておくこと。「非行」「遊び型非行」について心理学事典や教育学事典で調べておくこと。
8暴力行為、いじめ、不登校・不登園等の生徒指導上の課題の定義及び対応の視点(2)(4)いじめ
①「いじめ」とは何か
②古典的いじめと現代のいじめの違い
③いじめの被害者
④現代の「いじめ」の特徴
(i)「学校臭い」いじめ
(ii)教師が無意識にいじめを誘発し、それに荷担する
◎教科書2のp. 234-236、教科書1のpp. 184-185を読了しておくこと。
◎教師がいじめを誘発した事例を示すビデオ教材を視聴して、レポートを課す。
9暴力行為、いじめ、不登校・不登園等の生徒指導上の課題の定義及び対応の視点(3)⑤いじめを生み出す社会的背景
⑥いじめへの対処
(i)いじめの4層構造
(ii)日本のいじめの特徴
(iii)いじめへの介入例
10暴力行為、いじめ、不登校・不登園等の生徒指導上の課題の定義及び対応の視点(4)1)2種類の不登校
2)登校拒否とは何か
3)登校拒否の児童・生徒の特徴
4)不登校・登校拒否への対処
◎教科書2のp.228-229を読了しておくこと
11暴力行為、いじめ、不登校・不登園等の生徒指導上の課題の定義及び対応の視点(5)5)不登校・登校拒否を生み出す社会的背景
・問題行動への対処(1)
1)問題行動の心理
◎教科書2のp.228-229を読了しておくこと
12インターネットや性に関する課題、児童虐待への対応等の今日的な生徒指導上の課題を、専門家や関係機関との連携の在り方(6)インターネット、携帯電話と性をめぐる問題行動
①インターネット・携帯電話の問題
(i)教員として必要な知識を得る
(ii)違法・有害情報対策
(iii)メールに関係するトラブル被害
(iv)被害発生時の対処
(v)通報・相談窓口について
②性に関する問題
(i)児童生徒の性に関する現状と課題
(ii)性に関する問題行動や性的被害の防止とその対応
教科書1のpp.186-190を読了しておくこと。
13暴力行為、いじめ、不登校・不登園等の生徒指導上の課題の定義及び対応の視点
インターネットや性に関する課題、児童虐待への対応等の今日的な生徒指導上の課題を、専門家や関係機関との連携の在り方
(7)青年期の問題行動の社会的背景
①1960年代の高度経済成長と社会と教育の変容
②1980~1990年代以降の雇用政策の変更と社会・教育・青年
14児童生徒の自己の存在感が育まれるような場や機会の設定の在り方12.児童生徒の自己存在感を生み出す機会と体制
①日本の児童生徒の低い自己評価
②低い自己評価の原因
③自己存在感を生み出す機会と体制の提供
教科書1のpp. 222-240を読了のこと

到達目標

(1)教育課程における生徒指導の位置付けを理解できる。
(2)各教科、道徳教育、総合的な学習の時間、特別活動における生徒指導の意義や重要性を理解できる。
(3)集団指導・個別指導の方法原理を理解できる。
(4)生徒指導体制と教育相談体制それぞれの基礎的な考え方と違いを理解できる。
(5)学級担任、教科担任その他の校務分掌上の立場や役割並びに学校の指導方針及び年間指導計画に基づいた組織的な取組の重要性を理解できる。
(6)基礎的な生活習慣の確立や規範意識の醸成等の日々の生徒指導の在り方を理解できる。
(7)児童生徒の自己の存在感が育まれるような場や機会の設定の在り方を例示することができる。
(8)校則、懲戒、体罰等の生徒指導に関する主な法令の内容を理解できる。※高等学校においては停学及び退学を含む。
(9)暴力行為、いじめ、不登校・不登園等の生徒指導上の課題の定義及び対応の視点を理解できる。
(10)インターネットや性に関する課題、児童虐待への対応等の今日的な生徒指導上の課題を、専門家や関係機関との連携の在り方を例示することができる。

評価方法

レポートや宿題の提出状況、指名や挙手による発表内容等の受講状況と定期試験の成績を総合して評価する。受講状況の評点30%、定期試験の成績70%の比率で成績評価に用いる。
 

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:各回講義事項末尾に記した読了課題や調査・レポート課題は、講義に出席するための予習課題となっているので、それらを確実に実行すること。調査・レポート課題については、講義でも知らせる。
復習:各回講義事項末尾に記した調査・レポート課題は、講義に出席するための復習課題となっているので、それらを確実に実行すること。調査・レポート課題については、講義でも知らせる。

その他注意事等

・教育問題ばかりではなく、広く社会問題にまで関心を広げるように努力されたい。
・生徒指導論で扱う問題は諸君自身の問題でもあり、諸君の来し方・行く末とも関わっている。自らを知り、生き方を考える上でも重要なので積極的に講義に参加されたい。
・いかなる知識を持つことを要求し、試験にどのような設問を出題するかについて事前に出題予定問題集を配布する。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書生徒指導提要文部科学省文部科学省
教科書中学・高校教師になるための教育心理学 第3版心理科学研究会編有斐閣
参考書教育小六法 市川須美子 等編学陽書房
参考書心理用語の基礎知識東洋 編有斐閣
参考書新・心理学の基礎知識中島 義明 (編集),‎ 箱田 裕司 (編集),‎ 繁桝 算男 (編集) 有斐閣