英文名 | Special Topics in Animal Science 1 | |
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科目概要 | 動物資源科学科3年前期 [不定期]、3群科目、選択、講義、1単位(15時間) 動物資源科学科4年前期 [不定期]、3群科目、選択、講義、1単位(15時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎未定 | |
講義室 | 未定 | |
備考 | 科目ナンバリング:VZ301-RS15 |
動物資源、特に産業動物・経済動物に焦点をあてて、その経済的、経済学的な側面の様々な事象、問題を認識し、経済(学)的視点で動物資源を見る眼を養うことを目的とします。具体的には、動物資源を活用して食料を生み出す人間の活動のうち、生産と経営およびアグリビジネス、フードシステムを取り上げます。日本の場合には、畜産物に関わる食品の流通はグローバルに行われていること、畜産業に固有の特徴があることに留意しながら、実情と課題などを整理します。また、そうした実情と課題の背後にある畜産業・農業の産業としての大きな特徴・意義について正確な認識と捉え方を理解できるようにします。
大きくは3つの単元により授業を構成します。①畜産業・農業と経済(学)。この単元ではまず、畜産業・農業の産業としての特色を労働過程、生産過程に注目し、工業と比較しながら説明します。次に、自然と共生しながら経済活動を行う畜産業・農業の経済(学)的に固有の特徴(農地の耕作と地代、生き物の成長と価格など)を示します。②畜産経営の特徴。この単元では、畜産物の生産販売を行う経営の構造や特徴についてポイントとなる内容を中心に解説します。③アグリビジネスとフードシステム。この単元では、畜産業に関するビジネスや流通の問題を、アグリビジネスとフードシステムの視点から読み解いて、それらの現状と課題などを示し、本講義の全体的なまとめとしていきます。
授業は講義形式を基本とします。
テキストは使用せず、講義資料を配付します。必要に応じて動画資料も活用します。
集中講義ですので、ミニワークや質疑応答シートを活用して、皆さんの理解度や疑問を確認・対応しながら講義を進めます。
○生命科学を理解し、高い教養と倫理観を身につけている。
回 | 項目 | 内容 |
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1 | Ⅰ 畜産業・農業と経済(学) 1) 畜産業・農業を経済的視点でどう捉えるか 2) 産業としての特徴 | ①「生命総合産業」としての畜産業の・農業の性格と畜産業の位置。 ②工業との比較・労働過程から見た特徴。自然と生命との関係性の中で畜産業や農業の労働過程が工業とどのように違うかを考えます。 |
2 | Ⅰ 畜産業・農業と経済(学) 2) 産業としての特徴 つづき 3) 農地の耕作と地代 | ①工業との比較・生産過程の特徴。 労働過程の違いを踏まえて生産過程としての工業との違いを考えます。 ②地代現象・農地耕作と価格の関係。農業に固有の地代の問題、価格の問題を説明します。 |
3 | Ⅰ 畜産業・農業と経済(学) 4) 畜産生産の経済(学)的性格 Ⅱ 畜産経営の特徴 1) 畜産経営の種類 | ①地代や価格の問題と関連付けながら、畜産生産の経済(学)的な性格を整理します。 ②畜産経営の具体的なあり方について、畜種ごとに種類を説明します。 |
4 | Ⅱ 畜産経営の特徴 2) 畜産経営の構造 3) 畜産経営の展開 | ①技術と経済の結節点としての経営の構造について、ポイントとなる点を中心に解説します。 ②日本を中心に畜産経営の歴史的な展開を概観し、現代の特徴と課題を考えます。 |
5 | Ⅱ 畜産経営の特徴 4) 中間のまとめなど | ①畜産経営の特徴について、単元Ⅰの講義内容のふりかえりを含めて整理し、必要な補足を行います。 |
6 | Ⅲ アグリビジネスとフードシステム 1) アグリビジネス・フードシステムの概念 2) 畜産業における特徴 その1 | ①アグリビジネスとフードシステムの概念を解説し、そのような概念 を使って畜産業や農業を捉える必要性などを考えます。 ②畜産業におけるアグリビジネスの特徴を説明します。 |
7 | Ⅲ アグリビジネスとフードシステム 2) 畜産業における特徴 その2 3) グローバルな展開と課題 | ①畜産業におけるフードシステムの特徴を説明します。 ②畜産業のアグリビジネスやフードシステムはグローバルに展開して います。日本は食料輸入が多いのでこの影響を受けています。こうした点からグローバルな展開の内容と課題などを考えます。 |
8 | Ⅲ アグリビジネスとフードシステム 4) 総括など | 単元のⅠやⅡの内容も振り返りながら、総合的に畜産業のアグリビジネス、フードシステムの総括を行います。 |
①動物に関する経済的な諸問題、特に畜産業について、生産、経営、流通および関連ビジネスについて理解し、基本的内容を説明できるようになる。
②アグリビジネスやフードシステムという観点から、畜産業と農業の特徴を把握し、自分なりの見方・考え方意を述べることができるようになる。
③畜産業について経済の側面(経済学的視点)からも捉え、考えることができるようになる。
講義中に行う数回の小テスト(60%)、受講態度(ミニワークなどの取り組み 40%)により評価する。
【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
予習:1年次に学修した「 動物資源科学概論1」の「有用動物の種類と特徴」「日本の畜産物生産と現状」「食品としての畜産物」「動物の飼育と管理」の講義内容を思い出し、関連する参考図書も含めて復習しておいてください。
復習:講義中および講義終了後の質疑応答をあてますが、さらに関心のある分野の書籍を自分自身で調べ、多様な知識を得ておくことが望まれます。参考図書のいずれかを読み、一般的な知識を得ておくこと。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特に指定しません。 | ||
参考書 | 畜産学入門 | 唐澤豊他編著 | 文永堂出版 |
参考書 | 危機に瀕する日本の酪農・畜産 | 農政ジャーナリストの会編、農林統計協会 |