Web Syllabus(講義概要)
トップへ戻る 前のページへ戻る
毒性学実習
英文名Toxicology Laboratory
科目概要獣医学科3年後期 [月曜日4・5・6時限(週3コマ)]、3群科目、必修、実習、1単位(45時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎鎌田 亮 (※)武田 一貴
講義室B23実習室、B21講義室
備考科目ナンバリング:VV304-GS35

授業の目的

生体異物によるヒト・動物・環境への有害作用(毒性)を明らかにするために必要な知識と技術を修得することを目標として、毒性学における研究手法の学習や毒性影響の観察を通して毒性研究への理解を深める。また、医薬品等の安全性評価に用いられる毒性試験の基本的な手技を習得する。

教育内容

1.毒性試験の種類と方法についての講義と各種毒性試験の実施・体験
2.毒性の種類とメカニズムについての講義と毒性影響の観察
3.毒性学で用いられる基本的な研究手法の実施・体験

教育方法

配付資料とパワーポイントを用いた説明の後に、各種毒性試験や毒性学の実験を実施する。あるいは毒性影響の観察を行う。
実習内容の理解度を評価するために、各回に小テストを実施する(次回に採点した小テストを返却し、解説を行う)。
実習で行った毒性試験の結果、作製した標本、観察した組織のスケッチ等を提出する(次回に提出物の良否について解説を行う)。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

〇DP3:獣医学・獣医療の専門知識と技能
 DP4:動物の病気の診断・治療・予防
◎DP5:食品の安全性の確保と医薬品の開発
〇DP6:野生動物の保全と人獣共通感染症の制圧

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1実習の概要と毒性試験実習の概要の説明
毒性研究の意義や毒性試験の種類・方法についての学習
鎌田 亮
2遺伝毒性・発がん性1遺伝毒性・発がん性の種類・メカニズムと、遺伝毒性試験・発がん性試験の種類・方法についての学習鎌田 亮
3遺伝毒性・発がん性2 小核試験げっ歯類造血細胞を用いる小核試験の実施鎌田 亮
4遺伝毒性・発がん性3 染色体異常培養細胞を用いた染色体異常試験の標本観察鎌田 亮
5生殖発生毒性1 催奇形性試験①生殖発生毒性試験の種類・方法の学習と、化学物質による催奇形性作用の検証実験鎌田 亮
6生殖発生毒性2 催奇形性試験②催奇形性試験における骨格標本作製と骨格異常の観察鎌田 亮
7化学物質の体内動態と細胞傷害化学物質の吸収・分布・代謝・排泄の様式と細胞傷害のメカニズムについての学習武田 一貴
8臓器毒性1 肝臓毒性化学物質による肝臓毒性の種類・メカニズムの学習と、肝臓毒性標本の観察鎌田 亮
9薬物代謝酵素1薬物代謝酵素の種類・機能の学習と、化学物質による肝臓シトクロームP450の誘導実験武田 一貴
10薬物代謝酵素2シトクロームP450の誘導の観察と遺伝子発現解析による分子種の同定武田 一貴
11臓器毒性2 腎臓毒性化学物質による腎臓毒性の種類・メカニズムの学習と、腎臓毒性標本の観察鎌田 亮
12神経毒性アセチルコリンエステラーゼ阻害による有機リンおよびカルバメート剤中毒の検証実験鎌田 亮
13臓器毒性3 皮膚毒性化学物質による皮膚毒性の種類・メカニズムの学習と、皮膚炎標本の観察鎌田 亮
14環境毒性生態毒性試験の種類・方法の学習と、ミジンコ急性遊泳阻害試験の実施鎌田 亮
15総括と評価毒性学研究の動向や知見の紹介と評価試験の実施鎌田 亮
No. 1
項目
実習の概要と毒性試験
内容
実習の概要の説明
毒性研究の意義や毒性試験の種類・方法についての学習
担当者
鎌田 亮
No. 2
項目
遺伝毒性・発がん性1
内容
遺伝毒性・発がん性の種類・メカニズムと、遺伝毒性試験・発がん性試験の種類・方法についての学習
担当者
鎌田 亮
No. 3
項目
遺伝毒性・発がん性2 小核試験
内容
げっ歯類造血細胞を用いる小核試験の実施
担当者
鎌田 亮
No. 4
項目
遺伝毒性・発がん性3 染色体異常
内容
培養細胞を用いた染色体異常試験の標本観察
担当者
鎌田 亮
No. 5
項目
生殖発生毒性1 催奇形性試験①
内容
生殖発生毒性試験の種類・方法の学習と、化学物質による催奇形性作用の検証実験
担当者
鎌田 亮
No. 6
項目
生殖発生毒性2 催奇形性試験②
内容
催奇形性試験における骨格標本作製と骨格異常の観察
担当者
鎌田 亮
No. 7
項目
化学物質の体内動態と細胞傷害
内容
化学物質の吸収・分布・代謝・排泄の様式と細胞傷害のメカニズムについての学習
担当者
武田 一貴
No. 8
項目
臓器毒性1 肝臓毒性
内容
化学物質による肝臓毒性の種類・メカニズムの学習と、肝臓毒性標本の観察
担当者
鎌田 亮
No. 9
項目
薬物代謝酵素1
内容
薬物代謝酵素の種類・機能の学習と、化学物質による肝臓シトクロームP450の誘導実験
担当者
武田 一貴
No. 10
項目
薬物代謝酵素2
内容
シトクロームP450の誘導の観察と遺伝子発現解析による分子種の同定
担当者
武田 一貴
No. 11
項目
臓器毒性2 腎臓毒性
内容
化学物質による腎臓毒性の種類・メカニズムの学習と、腎臓毒性標本の観察
担当者
鎌田 亮
No. 12
項目
神経毒性
内容
アセチルコリンエステラーゼ阻害による有機リンおよびカルバメート剤中毒の検証実験
担当者
鎌田 亮
No. 13
項目
臓器毒性3 皮膚毒性
内容
化学物質による皮膚毒性の種類・メカニズムの学習と、皮膚炎標本の観察
担当者
鎌田 亮
No. 14
項目
環境毒性
内容
生態毒性試験の種類・方法の学習と、ミジンコ急性遊泳阻害試験の実施
担当者
鎌田 亮
No. 15
項目
総括と評価
内容
毒性学研究の動向や知見の紹介と評価試験の実施
担当者
鎌田 亮

到達目標

1.毒性試験の種類と方法を理解し、説明できる。
2.化学物質の体内動態と細胞傷害のメカニズムを理解し、説明できる。
3.遺伝毒性、生殖発生毒性、各種臓器・機能における毒性、環境毒性の種類とメカニズムを理解し、説明できる。
4.薬物代謝酵素の種類と機能を理解し、説明できる。
5.毒性学で用いられる基本的な研究手法を説明できる。

評価方法

小テスト(15%)、作製した標本やスケッチ等の提出(15%)、小テストの内容に準拠した定期試験(70%)
小テスト、標本、スケッチは評価をつけて返却し、次回に解説を行う。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習の時間:15時間】
予習:実習の前に配付資料を読んで、各項目の内容を把握しておく。標本観察の前には、組織学のカラーアトラス等で正常な組織像を確認しておく。
復習:小テストでは特に重要な事項を設問するので、十分に復習すること。

その他注意事等

有害な化学物質や実験動物を扱うので、各自、化学物質の曝露や怪我に十分注意してください。
実習で用いる基本的な手技は今後の実習や卒論、就職後の業務に必ず役に立ちますので積極的な習得を期待します。

実務経験の授業への活用方法:国立環境研究所における化学物質の毒性発現機序の研究および毒性試験法の開発の経験を生かして、実際の毒性研究や毒性試験に則した内容の実習を行う。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書毒性学研究室作成資料
参考書薬理学・毒性学実験 第3版  日本比較薬理学毒性学会 編文永堂出版
参考書安全性試験の教育・研修テキスト  安全性試験受託研究機関協議会(安研協)編
教科書
署名
毒性学研究室作成資料
著者・編者
発行所
参考書
署名
薬理学・毒性学実験 第3版  
著者・編者
日本比較薬理学毒性学会 編
発行所
文永堂出版
参考書
署名
安全性試験の教育・研修テキスト  
著者・編者
安全性試験受託研究機関協議会(安研協)編
発行所