英文名 | Animal Breeding | |
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科目概要 | 獣医学科3年前期 [金曜日2時限(週1コマ)]、2群科目、選択、講義、1単位(15時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎永野 昌志 | |
講義室 | B21講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VV201-AS32 |
動物育種とは、野生動物をヒトの支配下のもとで生殖を制御し、遺伝的に改良をすることで動物を家畜化することである。最初に動物遺伝についての基本的な内容を理解し、育種目標が明確な家畜・産業動物を中心に、①動物育種の基本的な考え方、②選抜法、③交配法を理解することを目標とする。
野生動物がヒトによって家畜化された歴史、遺伝の法則、遺伝的改良が進んでいることを評価する様々な方法とその原理、さらに効率的に遺伝的改良を進めるための人工繁殖技術について講義する。さらに、我が国の家畜改良方針がどのように制定され、それに向かってどのような取り組みがなされているかについても講義する。
パワーポイントを用い、写真や動画を用いることで理解しやすい講義を実施する。
講義での課題に関するフィードバックはWebClassに掲載する。また、講義に関する質問についてもWebClassを用いて回答する。
獣医学・獣医療の専門職業人として高度の知識・技能と社会の要請に対応可能な問題解決能力を身に付けるため、食料生産に直接かかわる家畜の効率的な生産方法を知るうえで、特に①動物生命科学および④食の安全を始めとする公衆衛生に関する基礎的知識を学ぶ育種学は欠かせない科目である。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 家畜改良の歴史 | 有史以前から人類は野生動物を家畜化してきた。人類と動物とのかかわり、その変遷について概説する。 | 永野 昌志 |
2 | 動物育種の歴史と成果 | 19世紀以降に開発された動物育種法の変遷や遺伝に関する研究について概説する。 | 永野 昌志 |
3 | 形質と遺伝 | 動物育種学におけるメンデルの法則およびハーディ・ワインベルグの法則について概説する。 | 永野 昌志 |
4 | 質的形質とその遺伝 | さまざまな動物種における質的形質とその遺伝および動物育種への応用について概説する。 | 永野 昌志 |
5 | 集団の遺伝的構成とその変化 | 集団としての育種を考えるうえで重要なハーディーワインベルグの法則を中心に、動物育種がどのように行われてきたか詳細を説明する。 | 永野 昌志 |
6 | 量的形質とその遺伝1 | 経済形質の大部分は量的形質であることから、動物育種学でもっとも重要な内容である。動物育種を行う上で重要な育種価の考え方について説明する。 | 永野 昌志 |
7 | 量的形質とその遺伝2 | 育種価の計算方法について実例を挙げながら解説する。また、国内外における家畜改良について、家畜改良目標とともに説明する。 | 永野 昌志 |
8 | 量的形質とその遺伝3 | 遺伝的パラメータ、遺伝率について解説するとともに、QTL解析を用いた育種について概説する。 | 永野 昌志 |
9 | 選抜と選抜育種 | 有用な形質を有する家畜を選抜する各種方法を概説するとともに、その利点および欠点について解説する。また、現在用いられているBLUP法について概説する。 | 永野 昌志 |
10 | 交配とその様式 | 有用な動物を選抜するうえで、有用形質を備えた動物を計画的に交配する必要がある。効率的に動物育種を進めるための交配方法について解説する。 | 永野 昌志 |
11 | ゲノム育種とその進展 | 動物育種をより効率的に進めるため、現在は遺伝情報が用いられている。どのような手技を用いて遺伝情報を利用しているのか解説するとともに、実際に世界中で用いられている方法について紹介する。 | 永野 昌志 |
12 | 家畜育種のための繁殖技術1 | 遺伝的に優れた動物を選抜、後代が誕生することで動物の改良は進む。より効率的に選抜された各種動物を繁殖させる方法について、人工授精法を中心に概説する。 | 永野 昌志 |
13 | 家畜育種のための繁殖技術2 | さまざまな国において牛(特に乳牛)は家畜改良の進んだ動物である。そのため、人工繁殖技術も他の動物に比べて進んでいる。ここでは、牛に用いられている最新の繁殖技術(雌雄産み分け技術など)について解説する。 | 永野 昌志 |
14 | 家畜育種のための繁殖技術3 | より効率的な動物育種のため、胚移植・凍結・クローン作製などの技術が用いられている。ここではこれらの技術について解説する。 | 永野 昌志 |
15 | 遺伝的多様性の管理と保全 | 動物をある方向に改良・育種することは経済性向上のために不可欠であるが、遺伝子の多様性を確保することも動物育種では重要である。ここでは、現在取り組まれている遺伝的多様性の管理と保全方法について概説する。 | 永野 昌志 |
①動物育種の基本的な考え方を説明できる、②家畜の選抜方法と選抜効果の評価方法を理解できる、③選抜のための交配方法を説明できる。
定期試験で評価する(100%)。
定期試験は答案用紙のコピーを返却し、不明な点について質問を受ける。
【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
予習:事前配布資料および参考書内の関連内容について事前に読んで理解を深めておくこと。
復習:配布資料と参考書を用いて復習すること。前回までの講義内容と常に連動した講義となるため、特に復習は重要であり、次回の講義に出る用語について理解を深めることが重要です。
予習と復習にはそれぞれ講義と同程度の時間が必要となります。
我が国の家畜改良目標がどのように策定されているのか、国内外の経済状況との関連についても理解して欲しい。また、農家レベルでの改良方針がどのように決められているのかについても理解してほしい。
オフィスアワーは特に設けないので、いつでも来室してください。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 毎回資料を配布する。 | ||
参考書 | 獣医遺伝育種学 | 国枝・今川・鈴木編 | 朝倉書店 |
参考書 | 動物遺伝育種学 | 祝前博明 他 | 朝倉書店 |
参考書 | 畜産学概論 | 小林 泰男 編集 | 朝倉書店 |