英文名 | Plant and Environmental Ecology | |
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科目概要 | 生物環境科学科2年後期 [水曜日1時限(週1コマ)]、3群科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎山上 睦 (※) | |
講義室 | 821講義室 | |
備考 | 科目ナンバリング:VE301-EE17 | |
JABEE認定プログラム履修の手引き(表3・14)との関連 | E |
前半は,植生の種類(森林,草地・湿地)に分けて,成立条件や維持管理法について理解する。後半は,受粉・送粉,種子散布,発芽,群落形成および遷移進行のメカニズムについて理解する。
植生の種類ごとに成立と維持管理法を講義する。次に,植物の生長過程(種子散布,発芽,群落形成,遷移の進行)のメカニズムを講義する。
この講義のために準備した「資料集」を基本に,必要に応じて追加資料を配布して,板書を中心に講義を行う。中間試験は採点結果の概要を報告することで,期末試験は終了後の「解説」の時間に成績評価と解答を説明することで,フィードバックする。
環境科学に関する知識と教養・倫理観を養い,さらに生態系機能の解明と理解に資する。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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1 | 様々な生態学の分類 | 生態学分野の分類とこの科目の位置づけについて紹介する。 | 山上 睦 | ① |
2 | 森林の生態(1) | 森林の成立条件と種類,森林の構造及び自己間引き,収量一定の法則について紹介する。 | 山上 睦 | ① |
3 | 森林の生態(2) | 人工林の間伐時期の決定方法などの維持管理技術及び森林の環境保全機能について紹介する。 | 山上 睦 | ① |
4 | 草原・湿地の生態(1) | 草原の種類,遷移途中相への放牧や火入れの影響と維持管理法について紹介する。 | 山上 睦 | ① |
5 | 草原・湿地の生態(2) | 湿性遷移および湿地のエコトーンについて紹介し,湿地の保全と創出の基礎を理解する。 | 山上 睦 | ① |
6 | 中間試験 | これまでの内容を整理し,理解の程度の知るために中間試験を行う。 | 山上 睦 | ① |
7 | 植物と動物の相互関係(1)送粉・受粉への関わり | 受粉・送粉への動物のかかわりについて共進化の観点から紹介する。 | 山上 睦 | ① |
8 | 種子の生態 | 種子の大きさと生産量における法則性を紹介し,さらに種子の形態と散布型の関連を理解する。 | 山上 睦 | ① |
9 | 植物と動物の相互関係(2)種子散布の生態 | 種子散布における動物の役割について具体例を挙げて紹介する。 | 山上 睦 | ① |
10 | 発芽生態 | 休眠と休眠打破および発芽に必要な環境条件,低温湿層処理について紹介する。 | 山上 睦 | ① |
11 | 光環境と群落形成(1) | 光-光合成曲線から光の重要性を紹介し,光をめぐる種間競争について,生産構造図の作り方とその意味を紹介する。 | 山上 睦 | ① |
12 | 光環境と群落形成(2) | 植物群落の受講形態を葉の形や配列から紹介し,生産構造から求められる吸光係数の意味を理解する。 | 山上 睦 | ① |
13 | 遷移進行のメカニズム(1) | 一年生草本群落から二年生草本群落への遷移進行のメカニズムを成長速度や葉面積指数,S/R比を用いて紹介する。 | 山上 睦 | ① |
14 | 遷移の進行メカニズム(2) | 二年生草本群落から多年生草本群落への遷移進行メカニズムを,ソース-シンクと養分転流の観点から紹介する。 | 山上 睦 | ① |
1.世界の植生の種類と分布およびそれの決定要因を環境や遷移と関連させて理解できる。
2.森林植生の種類と形成過程,環境保全機能について理解できる。
3.自然植生としての草原と半自然植生としての草原について違いが理解できる。
4.種子の形態と量および散布型について、遷移や動物との関連で理解できる。
5.群落の形成過程における光をめぐる競争や生産構造の意味について理解できる。
中間試験(20点)と期末試験(80点)によって評価する。中間試験では,ノートや資料の持ち込みを認めることで,それまでに学習した内容がどこまで整理・復習できているかを評価する。期末試験では,中間試験以降の講義内容を中心に出題して,継続的な学習ができているかを評価する。毎講義終了時の小テスト(リアクションペーパー)に,講義に関する疑問や意見などを書かせ,次回の講義にそれに対する返答を行っている。また,定期試験終了後に「解説」の時間を設け,採点結果の点数分布の紹介や模範解答及び評価基準について説明することでフィードバックしている。
【準備学習に必要な時間:60時間】
予習:講義内容を事前に確認して、それに関わる事項を図書やインターネットなどで調べる。
復習:講義終了時に小テストを行うことで講義内容の理解度を図り,復習の一環とする。さらに,中間試験ではノートや資料の持ち込みを認めるので,その準備も復習とする。
不明な点などあれば、講義中あるいはオフィスアワーを利用して、積極的に質問に来て下さい。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | (なし) | ||
参考書 | 「生態学入門」 | 日本生態学会編 | 東京化学同人 |
参考書 | 「植物生態学 基礎と応用」 | 林一六 | 古今書院 |