Web Syllabus(講義概要)
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気象環境学
英文名Applied Meteorology And Environment Control
科目概要生物環境科学科3年前期 [水曜日2時限(週1コマ)]、3群科目、選択、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎皆川 秀夫
講義室841講義室
備考科目ナンバリング:VE301-EE30

授業の目的

 まず、宇宙の歴史と物質や生命の起源を学ぶ。次に、気候と農業との関係を理解するとともに、温暖化や砂漠化、森林破壊などの地球環境問題への知識を深める。さらに、接地微気象が農作物に及ぼす影響や農業気象災害を理解するとともに、気象を改良し動植物の生産性を高めた農業生産施設の種類やその環境調節技術を学ぶ。また、基礎的な専門英語も習得する。

教育内容

 気象環境学では「放射」と「空気」の理解が大切である。放射は太陽の日射や地物の熱放射として知られるが、それは本来、物質を構成する原子核と電子をつなぎ止める接着剤であり、エネルギーでもある。原子核や電子が動くと放射が発生し、空間を光速度で移動、他の原子核や電子に吸収され、それらを振動させる。生物はその振動を特殊な「タンパク質」によって感知する。放射は温度であり、温度は生物に様々な影響を与える。
 他方、空気は窒素、酸素、アルゴン、水蒸気、二酸化炭素などから構成される。窒素はアミノ酸の原料、酸素は呼吸のもとであり、生物に不可欠な物質である。水蒸気は雪や氷や水に常温付近で容易に相変化し、水は細胞内では化学反応をたすける溶媒となる。植物は水と二酸化炭素と日射エネルギーとから有機物をつくり、動物をささえる。放射と空気が生命をつくったといえる。
 宇宙が誕生して約150億年、この長い歴史のなかで物質がどのように作られたのか、生命はそれらをどのように利用してきたのか、気象環境学は「宇宙と生命」を理解するゲートウェイの一つである。

教育方法

1)「教科書」をもとに、板書や視聴覚メディア(映像)、「ミニ実験」を活用し、講義形式ですすめる。
2)「講義の改善」(フィードバック)=>「小テスト」の成績、「授業評価」のアンケート調査結果、および「現代社会」のニーズ動向をそれぞれ反映し、次年度の講義の改善に努める。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

〇:豊かな人間性
◎:環境科学に関する知識と教養・倫理観

授業内容(シラバス)

項目内容担当者日時
1ガイダンス、人類と食料、資格紹介受講のねらいと諸注意、地球の歴史と人類と食料、気象予報士皆川 秀夫
4/5②
2気候と気象生産力と気候、作物の原産地、農業気候資源、日本の気候皆川 秀夫
4/12②
3地球環境問題(1)気候変動、温暖化、砂漠化皆川 秀夫
4/19②
4地球環境問題(2)酸性雨、森林破壊、リモートセンシング皆川 秀夫
4/26②
5<基礎知識の確認>小テスト(1)と解説皆川 秀夫
5/10②
6微気象(1)宇宙の起源、放射環境、温度環境皆川 秀夫
5/17②
7微気象(2)水環境、風環境、耕地の環境調節皆川 秀夫
5/24②
8<基礎知識の確認>小テスト(2)と解説皆川 秀夫
5/31②
9気象災害(1)大気の大循環、冷害、霜害、タンパク質と温度皆川 秀夫
6/7②
10気象災害(2)風害、干害皆川 秀夫
6/14②
11<基礎知識の確認>小テスト(3)と解説皆川 秀夫
6/21②
12環境調節(1)植物の光合成、植物の環境調節(温室・植物工場・宇宙施設)皆川 秀夫
6/28②
13環境調節(2)動物の環境調節(畜舎)皆川 秀夫
7/5②
141)環境調節(3)
2)総括
家畜排泄物処理、資源循環
基礎知識のまとめ、本試験対策
皆川 秀夫
7/12②
No. 1
項目
ガイダンス、人類と食料、資格紹介
内容
受講のねらいと諸注意、地球の歴史と人類と食料、気象予報士
担当者
皆川 秀夫
日時
4/5②
No. 2
項目
気候と気象
内容
生産力と気候、作物の原産地、農業気候資源、日本の気候
担当者
皆川 秀夫
日時
4/12②
No. 3
項目
地球環境問題(1)
内容
気候変動、温暖化、砂漠化
担当者
皆川 秀夫
日時
4/19②
No. 4
項目
地球環境問題(2)
内容
酸性雨、森林破壊、リモートセンシング
担当者
皆川 秀夫
日時
4/26②
No. 5
項目
<基礎知識の確認>
内容
小テスト(1)と解説
担当者
皆川 秀夫
日時
5/10②
No. 6
項目
微気象(1)
内容
宇宙の起源、放射環境、温度環境
担当者
皆川 秀夫
日時
5/17②
No. 7
項目
微気象(2)
内容
水環境、風環境、耕地の環境調節
担当者
皆川 秀夫
日時
5/24②
No. 8
項目
<基礎知識の確認>
内容
小テスト(2)と解説
担当者
皆川 秀夫
日時
5/31②
No. 9
項目
気象災害(1)
内容
大気の大循環、冷害、霜害、タンパク質と温度
担当者
皆川 秀夫
日時
6/7②
No. 10
項目
気象災害(2)
内容
風害、干害
担当者
皆川 秀夫
日時
6/14②
No. 11
項目
<基礎知識の確認>
内容
小テスト(3)と解説
担当者
皆川 秀夫
日時
6/21②
No. 12
項目
環境調節(1)
内容
植物の光合成、植物の環境調節(温室・植物工場・宇宙施設)
担当者
皆川 秀夫
日時
6/28②
No. 13
項目
環境調節(2)
内容
動物の環境調節(畜舎)
担当者
皆川 秀夫
日時
7/5②
No. 14
項目
1)環境調節(3)
2)総括
内容
家畜排泄物処理、資源循環
基礎知識のまとめ、本試験対策
担当者
皆川 秀夫
日時
7/12②

到達目標

1)気候とその変動が理解できる。
2)接地微気象が農作物に及ぼす影響を理解できる。
3)農業生産施設の環境調節を習得できる。
4)専門英語が理解できる。

評価方法

小テスト(3回、30%)、本試験(70%)に基づき成績を評価する。なお、欠席-5点、遅刻-2点を評価点に換算する。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
 「予習」: 区分ごとに小テスト(3回)を課すので「要点」をノートにまとめておくこと。教科書の『農業気象・環境学(第3版)』や参考書の『ASHRAE Handbook Fundamentals』に加え図書館にて他の参考書にも親しむこと。
 「復習」: 理解を一層深めるためには教員との対話や学生同士の議論が不可欠であり、質問やオフィスアワー(各講義日の講義室にて12:30~13:00)などを通じて「耳学問」の大切さを実践すること。

その他注意事等

 毎回、AV機器(DVD)を通じて、世界の極限気象(寒冷・高温・乾燥・多雨)、気象予報士、ヤマセ気象、タンパク質と温度など気象現象、および気象と生物との関係を理解する。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書「農業気象・環境学(第3版)」  大政・北野・皆川ら(著)朝倉書店
参考書「ASHRAE Handbook Fundamentals」 アメリカ空調学会(編) ASHRAE
教科書
署名
「農業気象・環境学(第3版)」  
著者・編者
大政・北野・皆川ら(著)
発行所
朝倉書店
参考書
署名
「ASHRAE Handbook Fundamentals」 
著者・編者
アメリカ空調学会(編) 
発行所
ASHRAE