Web Syllabus(講義概要)
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環境計画学
英文名Environmental Planning
科目概要生物環境科学科2年後期 [金曜日2時限(週1コマ)]、3群科目、必修、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎柿野 亘 (※)
講義室821講義室
備考科目ナンバリング:VE301-RS21
JABEE認定プログラム履修の手引き(表3・14)との関連B、E

教員免許取得のための必修科目

科目教科に関する科目(高等学校 農業)
施行規則に定める科目区分
  • 農業

授業の目的

農村地域の整備、環境管理に係る技術者として必要となる環境計画に関する基礎知識および自然と人との関係性を踏まえた地域づくりに関わる考え方・視点、さらには農村地域の生態環境保全策について体系的に習得する。

教育内容

環境計画とは,農村における土地の活用に関わる概念や方法をとりまとめた体系的な学問である。本科目では,別途科目である土地利用計画学と差別化するために①地域住民による土地利用活動,②農村地帯における動植物の生態環境,③中山間地域に着目した土地利用的問題点と解決に向けた対策試論を主な内容として講義する。

教育方法

板書とパワーポイントを用いて説明する。また,毎回教員が作成した資料を配布する。一部で視聴覚メディア(DVD)を活用する。フィードバックとして生態系評価手法や意向調査手法に係る課題を提示したら,学生が回答後にただちに模範解答を示す。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

自然環境と動植物を含めた環境の保全・創造に関する高度な専門知識に関連し,具体的にはつぎの技術や能力獲得にとくに資する。
◎A:コミュニケーション能力(農村に入った際の地域住民からのヒヤリングから問題の所在や対策の仮説を抽出する能力),〇B:中山間地域での耕作放棄によって荒廃化した土地活用案が複数立案できる知識(高付加価値農業,マイナーサブシステンス等,対象地の事情に応じた方策を立案するための知識),〇C:中山間地域に生息分布する動植物,とくに動物の分布的特性および生態保全に関わる問題について議論できる知識(保全対象種を選択するための知識)

授業内容(シラバス)

項目内容担当者日時
1ガイダンス、農村整備事業とは何か(キーワード:ガイダンス、農村、環境計画学の歴史、B/C)ガイダンスでは、本科目受講後の到達目標について説明する。また、農村整備事業について説明し、事業がどのような指標をもって優先順位が決定するか説明する。柿野 亘
9/24②
2「自然」の解釈(キーワード:自然(じねん)概念)農業農村整備事業や農村での生息生物を保全する上で、自然をどう捉えるかは根源的な問いである。複数の解釈をもとに自然とは何かについてふれる。柿野 亘
10/1②
3自然と人間との関係(キーワード:関わり、マイナーサブシステンス、オーラルヒストリー)農業農村整備事業を実施する上で、対象となる場と地域住民との関わりをどのように抽出するのか。抽出するための重要性と抽出するための方法を説明する。柿野 亘
10/15②
4中山間地域の発展 その1(キーワード:丘陵地,谷地形)農業生産において、条件不利な地域であり、生物多様性が高い地域である中山間地域に含まれる地形的特徴について説明する。柿野 亘
10/21②
5中山間地域の発展 その2(キーワード:地域住民の生活、自然資本、地域資源)地域住民にとって中山間地域はどのようにとらえられているのか、メリットとデメリットについて説明する。また、自然資本概念に基づき、資源について説明する。柿野 亘
10/29②
6中山間地域の発展 その3(キーワード:魚類、生態、生息分布)中山間地域の生息生物および農村の生物多様性を支える仕組みについて説明する。
とくに魚類の生物地理学的な観点から説明する。
柿野 亘
11/5②
7中山間地域の発展 その4(キーワード:両生類、生態、生息分布)中山間地域の生息生物および農村の生物多様性を支える仕組みについて説明する。
とくに両生類の生物地理学的な観点から説明する。
柿野 亘
11/12②
8中山間地域の発展 その5(キーワード:貝類、生態、生息分布)中山間地域の生息生物および農村の生物多様性を支える仕組みについて説明する。
とくに貝類の生物地理学的な観点から説明する。
柿野 亘
11/19②
9中山間地域の発展 その6(キーワード:生物の種多様性)中山間地域の環境の変質性と農業水路の維持管理とシフティングモザイク概念
 いわゆる中山間地域問題に係る経時的な変質性や個々の水域の変化を理解するとともに,水田に係る農業施設(特に水路)での水生生物の生息分布と農家の維持管理との関わりについて学ぶ。
柿野 亘
11/26②
10中山間地域の発展 その7(生物分類技能の基礎)農村地帯の生態系保全の基礎として捉えられる生物分類技能の基礎(分類群,種の判別,タイプ標本等)について説明する。柿野 亘
12/3②
11中山間地域の発展  その8(マイナーサブシステンス事例)農水省でも推進されはじめている中山間地域における養蜂と周辺環境との関わりについて説明する。柿野 亘
12/10②
12中山間地域の発展  その9(マイナーサブシステンス事例)ブッシュクラフトを通じたかつての水利施設の補修や整備事例について説明する。柿野 亘
12/17②
13有機農業を軸にした地域づくり その1(有機農業技術、観光)有機農業推進法および有機農業を軸にした地域つくり、農村水産物地域資源のブランド化、観光化に向けた考え方について説明する。柿野 亘
12/24②
14有機農業を軸にした地域づくり その2(有機農業推進法、水田生態系)有機農業を軸にした地域を事例紹介するとともに,地域の共同体と行政との活動の違いについて考える。また,これを踏まえた水田生態系を概括する。柿野 亘
1/7②
No. 1
項目
ガイダンス、農村整備事業とは何か(キーワード:ガイダンス、農村、環境計画学の歴史、B/C)
内容
ガイダンスでは、本科目受講後の到達目標について説明する。また、農村整備事業について説明し、事業がどのような指標をもって優先順位が決定するか説明する。
担当者
柿野 亘
日時
9/24②
No. 2
項目
「自然」の解釈(キーワード:自然(じねん)概念)
内容
農業農村整備事業や農村での生息生物を保全する上で、自然をどう捉えるかは根源的な問いである。複数の解釈をもとに自然とは何かについてふれる。
担当者
柿野 亘
日時
10/1②
No. 3
項目
自然と人間との関係(キーワード:関わり、マイナーサブシステンス、オーラルヒストリー)
内容
農業農村整備事業を実施する上で、対象となる場と地域住民との関わりをどのように抽出するのか。抽出するための重要性と抽出するための方法を説明する。
担当者
柿野 亘
日時
10/15②
No. 4
項目
中山間地域の発展 その1(キーワード:丘陵地,谷地形)
内容
農業生産において、条件不利な地域であり、生物多様性が高い地域である中山間地域に含まれる地形的特徴について説明する。
担当者
柿野 亘
日時
10/21②
No. 5
項目
中山間地域の発展 その2(キーワード:地域住民の生活、自然資本、地域資源)
内容
地域住民にとって中山間地域はどのようにとらえられているのか、メリットとデメリットについて説明する。また、自然資本概念に基づき、資源について説明する。
担当者
柿野 亘
日時
10/29②
No. 6
項目
中山間地域の発展 その3(キーワード:魚類、生態、生息分布)
内容
中山間地域の生息生物および農村の生物多様性を支える仕組みについて説明する。
とくに魚類の生物地理学的な観点から説明する。
担当者
柿野 亘
日時
11/5②
No. 7
項目
中山間地域の発展 その4(キーワード:両生類、生態、生息分布)
内容
中山間地域の生息生物および農村の生物多様性を支える仕組みについて説明する。
とくに両生類の生物地理学的な観点から説明する。
担当者
柿野 亘
日時
11/12②
No. 8
項目
中山間地域の発展 その5(キーワード:貝類、生態、生息分布)
内容
中山間地域の生息生物および農村の生物多様性を支える仕組みについて説明する。
とくに貝類の生物地理学的な観点から説明する。
担当者
柿野 亘
日時
11/19②
No. 9
項目
中山間地域の発展 その6(キーワード:生物の種多様性)
内容
中山間地域の環境の変質性と農業水路の維持管理とシフティングモザイク概念
 いわゆる中山間地域問題に係る経時的な変質性や個々の水域の変化を理解するとともに,水田に係る農業施設(特に水路)での水生生物の生息分布と農家の維持管理との関わりについて学ぶ。
担当者
柿野 亘
日時
11/26②
No. 10
項目
中山間地域の発展 その7(生物分類技能の基礎)
内容
農村地帯の生態系保全の基礎として捉えられる生物分類技能の基礎(分類群,種の判別,タイプ標本等)について説明する。
担当者
柿野 亘
日時
12/3②
No. 11
項目
中山間地域の発展  その8(マイナーサブシステンス事例)
内容
農水省でも推進されはじめている中山間地域における養蜂と周辺環境との関わりについて説明する。
担当者
柿野 亘
日時
12/10②
No. 12
項目
中山間地域の発展  その9(マイナーサブシステンス事例)
内容
ブッシュクラフトを通じたかつての水利施設の補修や整備事例について説明する。
担当者
柿野 亘
日時
12/17②
No. 13
項目
有機農業を軸にした地域づくり その1(有機農業技術、観光)
内容
有機農業推進法および有機農業を軸にした地域つくり、農村水産物地域資源のブランド化、観光化に向けた考え方について説明する。
担当者
柿野 亘
日時
12/24②
No. 14
項目
有機農業を軸にした地域づくり その2(有機農業推進法、水田生態系)
内容
有機農業を軸にした地域を事例紹介するとともに,地域の共同体と行政との活動の違いについて考える。また,これを踏まえた水田生態系を概括する。
担当者
柿野 亘
日時
1/7②

到達目標

1.農村地域での人間の生活環境および動植物の生態環境の共生問題について、体系的に説明できる(ディプロマ・ポリシーとの関連:環境保全・創造に関する高度な専門知識)。
2.問題解決対象となる地域の空間スケール(個人-集落-地区-地域)や地域社会価値に応じた問題対策の多様な視点の持ち方、解決するための手法を選択判断できるようになる(問題解決能力と提言ができる人材養成)。
3.地域住民から保全対象に対する意向調査手法を自身で実施し、その意向を把握することができる(問題解決能力と提言ができる人材養成)。
4.地域住民の生活に配慮しながら、協調して「3」の手法を遂行できる(高い教養と倫理観)。

評価方法

【評価種別】定期試験で評価する。欠席が多い場合は、進級規定第6項を適用する。
【割合】定期試験100%
【評価基準】定期試験「中山間地域での土地利用的問題や生態系の変質の問題の背景において,その解決策について,具体的に立案回答できるか否かを基準とする」。

準備学習(予習・復習等)

【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:次回の講義部分について、図書館等で項目、内容に関わる基礎知識を得ておくまた、講義で次回の講義での内容を簡単に説明し、これに係る疑問点や意見を考えておくこと。予習として関連資料を配布することがあるので,前もって資料で主張されていることや論点を整理しておくこと。
復習:講義中に内容復習に関するいくつかの参考資料を配布する場合があるので,その際には熟読し,講義内容と資料内容との合致箇所を整理しておくこと。

その他注意事等

実務経験の授業への活用方法:環境計画学,土地利用計画学:NPO法人民間稲作研究所および神奈川県農地課において従事した地域計画立案および実践した経験を活かし,中山間地域における土地の利活用および地域住民との関わり方について本講義に反映する。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書教員が授業ごとにプリントを事前配布する。
参考書改訂 農村計画学 農業農村工学会 (社)農業農村工学会
参考書共同体の基礎理論 内山節農村漁村文化協会
参考書無農薬・有機のイネづくり 稲葉光國 農村漁村文化協会
教科書
署名
教員が授業ごとにプリントを事前配布する。
著者・編者
発行所
参考書
署名
改訂 農村計画学 
著者・編者
農業農村工学会 
発行所
(社)農業農村工学会
参考書
署名
共同体の基礎理論
著者・編者
 内山節
発行所
農村漁村文化協会
参考書
署名
無農薬・有機のイネづくり 
著者・編者
稲葉光國 
発行所
農村漁村文化協会