Web Syllabus(講義概要)
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動物分類学
英文名Animal Taxonomy
科目概要獣医学科1年前期 [金曜日4・5時限]、2群科目、必修、講義、1単位(15時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎森 健人
講義室

授業の目的

授業の目的:分類と系統を進化学および比較解剖学的視点から⾒渡し、動物の分類体系とその特長の概略を掴むことを目的とする。
教育内容:分類学の諸問題について講義する。
教育方法:講義内容はプロジェクターとスクリーンを用いて行う。必要に応じて、講義内容についての資料を配布する。

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1分類学とは(1)人は分類という考えを利用して物事を認識し理化している。特に、多種多様な生物を理解する上で、生物に名前を与え、名前を使ってグループに分けるという分類学的な方法は重要な役割を果たしている。ここでは、分類学的な考え方の基本を学ぶ。〈キーワード〉人為分類と自然分類,動物分類学の歴史,記載,命名,クラス化,体系化,アリストテレス,リンネ,二名法。森 健人
2分類学とは(2)リンネによってまとめられた分類学の基礎となる考え⽅は、ダーウィンの進化論よって⽣物学的な背景を得ることになる。進化と分類の密接な関係について学ぶ。〈キーワード〉タイプ標本,ダーウィン,進化論,ヘニッヒ,分岐学。森 健人
3分類学とは(3)分岐学を基にした分岐分類学によって進化を前提とした生物分類が行われることとなった。分岐分類学およびその他の分類学について学び,生物の分類が如何に困難な事かを再度確認する。〈キーワード〉分岐分類学,進化分類学,表形分類学。森 健人
4分類学とは(4)生物の分類が一筋縄ではいかないことが分かった。では分類の基本単位となる「種」とはいったい何なのだろうか。果たして「種」は存在するのだろうか。〈キーワード〉分類群と分類階級,属とは何か,種とは何か,生物学的種概念,その他の種概念,種分化のメカニズム。森 健人
5分類学とは(5)現代における生物分類には塩基配列を用いた分子系統解析が欠かせない。分子系統解析の方法とその信頼性について考える。また分類学についてまとめる。〈キーワード〉メンデルの法則,進化の単位,セントラルドグマ,突然変異,タンパク質の合成,コドン,木村資生,中立進化説,分子系統解析,最良の分類および種概念。森 健人
6動物界動物とは何か。動物界と呼ばれるグループが生物のどこに位置するか,どのような構成要素,特長で成り立っているかを知る。〈キーワード〉二界説,ヘッケル,三界説,五界説,原核生物,真核生物,モネラ界,菌界,植物界,動
物界,オピストコンタ類,真正細菌,古細菌,襟鞭毛虫。
森 健人
7様々な動物門動物界における様々な動物門の特長と概略を知る。〈キーワード〉ボディープラン,多細胞化,対称性,胚葉性,体腔,旧口と新口,海綿動物,刺胞動物,扁形動物,線形動物,軟体動物,環形動物,節足動物,棘皮動物,半索動物,脊索動物。森 健人
8魚類とは魚類とはどういうグループなのか。脊椎動物の特長に関連させて魚類について考える。〈キーワード〉尾索動物,円口類,脊索と脊椎,軟骨魚類,鰓弓,半規管,サメの胎生,条鰭類,うきぶくろ,肉鰭類,四肢動物。森 健人
9両生類と爬虫類(1)両生類,爬虫類の分類と形態について知る。〈キーワード〉四肢と重力,首の獲得,鱗の消失と角質の獲得,尿酸,中耳,心臓の形態,ジェリー層をもつ卵,変態,有尾目,無足目,無尾目,後頭顆。森 健人
10両生類と爬虫類(2)両生類,爬虫類の分類と形態について知る。〈キーワード〉有羊膜類,羊膜,漿膜,尿膜,双弓類,角質層の鱗化,卵殻,呼吸方法,中耳,心臓の形態。森 健人
11両生類と爬虫類(3)両生類,爬虫類の分類と形態について知る。〈キーワード〉トカゲ類,ヘビ類,ミミズトカゲ類,ムカシトカゲ類,ワニ類,カメ類,生殖方法,性決定,呼吸。森 健人
12鳥類と哺乳類(1)鳥類と哺乳類には恒温性の獲得に起因すると考えられる類似点が見受けられる。鳥類と哺乳類についてその類似点と相違点を考えながらそれぞれの特長を知る。〈キーワード〉恒温性(内温性),羽毛,心臓の形態,ガン気骨,肺と気嚢,卵殻,抱卵と給餌,二足歩行,翼,くちばし,趾,鳴き声,尿酸,日本の鳥類,飛べない鳥。森 健人
13鳥類と哺乳類(2)鳥類と哺乳類には恒温性の獲得に起因すると考えられる類似点が見受けられる。鳥類と哺乳類についてその類似点と相違点を考えながらそれぞれの特長を知る。〈キーワード〉恒温性(内温性),毛,心臓の形態,横隔膜,胎盤,乳腺と哺乳,直立した四足歩行,異歯性,泌尿生殖器と肛門,赤血球,頸椎の数,顎と耳。森 健人
14鳥類と哺乳類(3)鳥類と哺乳類には恒温性の獲得に起因すると考えられる類似点が見受けられる。鳥類と哺乳類についてその類似点と相違点を考えながらそれぞれの特長を知る。〈キーワード〉哺乳類の分類,単孔類,有袋類,真獣類,アフリカ獣類のなかま,異節類のなかま,真主げつ類のなかま,ローラシア獣類のなかま,日本の哺乳類,真獣類の多様性。森 健人
15まとめ森 健人
No. 1
項目
分類学とは(1)
内容
人は分類という考えを利用して物事を認識し理化している。特に、多種多様な生物を理解する上で、生物に名前を与え、名前を使ってグループに分けるという分類学的な方法は重要な役割を果たしている。ここでは、分類学的な考え方の基本を学ぶ。〈キーワード〉人為分類と自然分類,動物分類学の歴史,記載,命名,クラス化,体系化,アリストテレス,リンネ,二名法。
担当者
森 健人
No. 2
項目
分類学とは(2)
内容
リンネによってまとめられた分類学の基礎となる考え⽅は、ダーウィンの進化論よって⽣物学的な背景を得ることになる。進化と分類の密接な関係について学ぶ。〈キーワード〉タイプ標本,ダーウィン,進化論,ヘニッヒ,分岐学。
担当者
森 健人
No. 3
項目
分類学とは(3)
内容
分岐学を基にした分岐分類学によって進化を前提とした生物分類が行われることとなった。分岐分類学およびその他の分類学について学び,生物の分類が如何に困難な事かを再度確認する。〈キーワード〉分岐分類学,進化分類学,表形分類学。
担当者
森 健人
No. 4
項目
分類学とは(4)
内容
生物の分類が一筋縄ではいかないことが分かった。では分類の基本単位となる「種」とはいったい何なのだろうか。果たして「種」は存在するのだろうか。〈キーワード〉分類群と分類階級,属とは何か,種とは何か,生物学的種概念,その他の種概念,種分化のメカニズム。
担当者
森 健人
No. 5
項目
分類学とは(5)
内容
現代における生物分類には塩基配列を用いた分子系統解析が欠かせない。分子系統解析の方法とその信頼性について考える。また分類学についてまとめる。〈キーワード〉メンデルの法則,進化の単位,セントラルドグマ,突然変異,タンパク質の合成,コドン,木村資生,中立進化説,分子系統解析,最良の分類および種概念。
担当者
森 健人
No. 6
項目
動物界
内容
動物とは何か。動物界と呼ばれるグループが生物のどこに位置するか,どのような構成要素,特長で成り立っているかを知る。〈キーワード〉二界説,ヘッケル,三界説,五界説,原核生物,真核生物,モネラ界,菌界,植物界,動
物界,オピストコンタ類,真正細菌,古細菌,襟鞭毛虫。
担当者
森 健人
No. 7
項目
様々な動物門
内容
動物界における様々な動物門の特長と概略を知る。〈キーワード〉ボディープラン,多細胞化,対称性,胚葉性,体腔,旧口と新口,海綿動物,刺胞動物,扁形動物,線形動物,軟体動物,環形動物,節足動物,棘皮動物,半索動物,脊索動物。
担当者
森 健人
No. 8
項目
魚類とは
内容
魚類とはどういうグループなのか。脊椎動物の特長に関連させて魚類について考える。〈キーワード〉尾索動物,円口類,脊索と脊椎,軟骨魚類,鰓弓,半規管,サメの胎生,条鰭類,うきぶくろ,肉鰭類,四肢動物。
担当者
森 健人
No. 9
項目
両生類と爬虫類(1)
内容
両生類,爬虫類の分類と形態について知る。〈キーワード〉四肢と重力,首の獲得,鱗の消失と角質の獲得,尿酸,中耳,心臓の形態,ジェリー層をもつ卵,変態,有尾目,無足目,無尾目,後頭顆。
担当者
森 健人
No. 10
項目
両生類と爬虫類(2)
内容
両生類,爬虫類の分類と形態について知る。〈キーワード〉有羊膜類,羊膜,漿膜,尿膜,双弓類,角質層の鱗化,卵殻,呼吸方法,中耳,心臓の形態。
担当者
森 健人
No. 11
項目
両生類と爬虫類(3)
内容
両生類,爬虫類の分類と形態について知る。〈キーワード〉トカゲ類,ヘビ類,ミミズトカゲ類,ムカシトカゲ類,ワニ類,カメ類,生殖方法,性決定,呼吸。
担当者
森 健人
No. 12
項目
鳥類と哺乳類(1)
内容
鳥類と哺乳類には恒温性の獲得に起因すると考えられる類似点が見受けられる。鳥類と哺乳類についてその類似点と相違点を考えながらそれぞれの特長を知る。〈キーワード〉恒温性(内温性),羽毛,心臓の形態,ガン気骨,肺と気嚢,卵殻,抱卵と給餌,二足歩行,翼,くちばし,趾,鳴き声,尿酸,日本の鳥類,飛べない鳥。
担当者
森 健人
No. 13
項目
鳥類と哺乳類(2)
内容
鳥類と哺乳類には恒温性の獲得に起因すると考えられる類似点が見受けられる。鳥類と哺乳類についてその類似点と相違点を考えながらそれぞれの特長を知る。〈キーワード〉恒温性(内温性),毛,心臓の形態,横隔膜,胎盤,乳腺と哺乳,直立した四足歩行,異歯性,泌尿生殖器と肛門,赤血球,頸椎の数,顎と耳。
担当者
森 健人
No. 14
項目
鳥類と哺乳類(3)
内容
鳥類と哺乳類には恒温性の獲得に起因すると考えられる類似点が見受けられる。鳥類と哺乳類についてその類似点と相違点を考えながらそれぞれの特長を知る。〈キーワード〉哺乳類の分類,単孔類,有袋類,真獣類,アフリカ獣類のなかま,異節類のなかま,真主げつ類のなかま,ローラシア獣類のなかま,日本の哺乳類,真獣類の多様性。
担当者
森 健人
No. 15
項目
まとめ
内容
担当者
森 健人

到達目標

分類、系統、進化といった観点から、動物の多様性を理解して、今後、獣医学分野で扱う動物を説明できるようになる。

評価方法

試験方法:筆記試験  実施時期:試験期間内
受講態度・授業参加状況および定期試験の成績を総合して評価する。

準備学習(予習・復習等)

予習:参考書などに目を通し、次回の授業概要を把握しておくこと。
復習:授業内容をノートにまとめておくこと。

その他注意事等

前半は分類学そのものについて,後半では動物の分類と特長について学びます。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書(なし)
参考書動物の系統分類と進化藤田 敏彦裳華房
参考書動物分類学の論理馬渡 峻輔東京大学出版会
参考書ケント脊椎動物の比較解剖学【原著第9 版】George C. Kent and Robert K. Carr緑書房
参考書哺乳類の進化遠藤秀紀東京大学出版会
教科書
署名
著者・編者
発行所
参考書
署名
動物の系統分類と進化
著者・編者
藤田 敏彦
発行所
裳華房
参考書
署名
動物分類学の論理
著者・編者
馬渡 峻輔
発行所
東京大学出版会
参考書
署名
ケント脊椎動物の比較解剖学【原著第9 版】
著者・編者
George C. Kent and Robert K. Carr
発行所
緑書房
参考書
署名
哺乳類の進化
著者・編者
遠藤秀紀
発行所
東京大学出版会