| 英文名 | Introduction of Veterinary Microbiology Ⅰ | |
|---|---|---|
| 科目概要 | 獣医学科２年前期 [金曜日2時限(週1コマ)]、３群科目、必修、講義、１単位(15時間) | |
| 担当者 | (◎は科目責任者，※は実務経験のある教員) ◎佐藤 久聡 | |
| 講義室 | B31講義室 | |
感染症は微生物の侵入・増殖によって宿主の生理機能が障害される疾病であるため、その診断・予防・治療には病原微生物の特性や宿主と微生物の相互作用を理解する必要がある。また、感染症の防御には宿主体内での免疫反応が関与しているため、感染症を理解するのは免疫学の知識も必要である。これらの目的を達成するため、微生物、特に細菌の構造、代謝、遺伝、変異を理解するとともに感染症の成立過程や感染防御の基礎について学ぶことを目標とする。
| 回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
|---|---|---|---|
| 1 | 微生物学序論 | 微生物学の歴史、微生物の生物界における位置、各微生物の特徴 | 佐藤 久聡 |
| 2 | 細菌学総論1 | 細菌の分類、細菌の一般性状（形と大きさ、染色と観察、細菌の微細構造） | 佐藤 久聡 |
| 3 | 細菌学総論2 | 細菌の一般性状（細菌の栄養、細菌の増殖、細菌の同定） | 佐藤 久聡 |
| 4 | 細菌学総論3 | 細菌の物質代謝（異化代謝系、同化代謝系） | 佐藤 久聡 |
| 5 | 細菌学総論4 | 細菌の物質代謝（代謝調節） | 佐藤 久聡 |
| 6 | 細菌学総論5 | 細菌の遺伝（細菌の染色体とゲノム解析、プラスミド、バクテリオファージ） | 佐藤 久聡 |
| 7 | 細菌学総論6 | 細菌の遺伝（細菌における遺伝子の伝達、形質転換と形質導入） | 佐藤 久聡 |
| 8 | 細菌学総論7 | 細菌の変異（偶発変異、相変異、サプレッサー変異、トランスポゾン） | 佐藤 久聡 |
| 9 | 細菌学総論8 | 遺伝子の発現調節と病原細菌の遺伝子工学 | 佐藤 久聡 |
| 10 | 細菌学総論9 | 感染と宿主寄生体関係（感染と発症、感染経路と経過） | 佐藤 久聡 |
| 11 | 細菌学総論10 | 感染と宿主寄生体関係（宿主寄生体関係、感染成立の要因） | 佐藤 久聡 |
| 12 | マイコプラズマ学総論 | マイコプラズマの分類と特徴、形態、一般性状 | 佐藤 久聡 |
| 13 | リケッチア・クラミジア学総論 | リケッチアとクラミジアの比較、リケッチアの媒介動物、クラミジアの増殖環 | 佐藤 久聡 |
| 14 | 真菌学総論 | 真菌の分類、形態、代謝、遺伝、病原因子、防御機構、アレルギー、予防・治療 | 佐藤 久聡 |
| 15 | 総括 | まとめと学力確認 | 佐藤 久聡 |
豊かな人間性を有し、獣医学・獣医療の専門職業人としての高度の知識・技能と社会の要請に対応可能な問題解決能力を身に付けるため、特に感染症と病原微生物に関する幅広い知識を修得する必要がある。微生物学総論Ⅰでは、(1) 微生物の生物学的位置づけについて説明できる。(2) 細菌の形態・一般性状・代謝・遺伝・変異について説明できる。(3) マイコプラズマ・リケッチア・クラミジア・真菌の諸性状について具体的に説明できる。(4) 微生物の感染経過について説明できる。
到達目標の達成度を評価するため、毎講義時に小テストを実施し、さらに定期試験も課す。成績評価は、定期試験 (80%) と小テスト (20%) の結果から総合的に判定する。
予習：次回の講義範囲について、教科書・資料・参考書等を利用して基本的知識を得ておく。
復習：前回の講義内容について、資料・ノートで確認し、小テストに対応できるように準備する。
獣医微生物学総論Ⅰは以後に開講される獣医微生物学総論Ⅱ、獣医細菌学、獣医ウイルス学を初めとする多くの病原微生物を対象とする教科の基礎となるものなので、以後の科目の理解のためにもよく学習することを期待する。
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
|---|---|---|---|
| 教科書 | 獣医微生物学 第3版 | 見上 彪 監 | 文永堂出版 |
| 教科書 | コアカリ獣医微生物学 | 公益社団法人日本獣医学会微生物学分科会 編 | 文永堂出版 |
| 参考書 | 動物微生物学 | 明石博臣・木内明男・原澤 亮・本多英一 編 | 朝倉書店 |
| 参考書 | 標準微生物学 第12版 | 中込 治・神谷 茂 編 | 医学書院 |
| 参考書 | 戸田新細菌学 第34版 | 吉田眞一・柳 雄介・吉開泰信 編 | 南山堂 |