英文名 | Educational Psychology | |
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科目概要 | 生物環境科学科2年前期 [水曜日1時限(週1コマ)]、教職課程科目、必修、講義、2単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎荒尾 貞一 | |
講義室 | 111講義室 |
科目 | 教職に関する科目(教育の基礎倫理に関する科目) |
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各科目に含めることが必要な事項 |
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1.教育を心理学側面から理解させるために、心理学の歴史を通じて、心理学と学習の基礎的概念を教授し、人間の学習の特質を理解させる。その上に立って、青年期の学習の意義や問題点を講じる。
2.障害者教育と特別支援教育の必要性、意義および発達障害の基礎概念と対処を講じる。
3.教育測定、教育評価に関する基礎的概念を講じて、教育問題を考える視点を提供する。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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1 | 教育とは何か(1) | 1)教育の定義と目的 2)心理学的側面から見た教育の過程 3)教育に影響を及ぼす諸要因 ―社会・歴史的条件と教育― ◎教科書第1章第1節を読了しておくこと ◎第2回講義の理解を促すために、本講義終了時に「障害児・者教育の必要性」に関するレポートを課す | 荒尾 貞一 | 4/11① |
2 | 教育とは何か(2) | 4)教育の抱える矛盾とその克服 5)教育の定義・目的と障害者教育 ◎前回講義で宿題としたレポートを必ず提出すること。 | 荒尾 貞一 | 4/18① |
3 | 教育と心理学との関係の歴史(1) | 1)心理学 ―長い前史と短い本史 2)児童観の変化、児童中心主義とその実験的証明(教科書p.22-27、 42-45を読了のこと) 3)知能テストの開発とその応用(教科書p.225読了のこと) ◎ヴィルヘルム・ヴント、ジャン-ジャック・ルソー、フレーベル、ジォン・ピアジェ、アルフレッド・ビネーの業績について心理学事典などで調べておくこと。 | 荒尾 貞一 | 4/25① |
4 | 教育と心理学との関係の歴史(2) | 4)条件反射、オペラント学習の発見とプログラム学習、ティーチングマシン、CAIの開発 ◎教科書p.66-77を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 5/9① |
5 | 教育と心理学との関係の歴史(3) 障害児・者の教育と発達、軽度発達障害児・者への対応(1) | 5)教育の現代化への要求 ◎教科書p.104-111を読了しておくこと 1)障害児・者の教育と発達 ◎教科書p.54-65を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 5/16① |
6 | 障害児・者の教育と発達、軽度発達障害児・者への対応(2) | 2)軽度発達障害 注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD) 3)高機能発達障害 自閉症、アスペルガー障害 ◎軽注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、自閉症、アスペルガー障害について心理学事典などで調べておくこと ◎アスペルガー障害を扱ったテレビ番組の録画を見て、次回講義終了時締め切りで感想レポートを課す。 | 荒尾 貞一 | 5/23① |
7 | 遺伝と環境の発達への影響に関する4つの考え方 | 1)遺伝決定論 2)環境決定論 3)輻輳説 4)相互作用説 5)遺伝と環境と教育の立場 教科書p.34-36を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 5/30① |
8 | 学習の諸相(1) | 1)オペラント学習の限界 2)人間の学習の特質 3)認知的学習理論 ◎教科書p.66-77を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 6/6① |
9 | 学習の諸相(2) | 4)人間の記憶とその限界、限界の克服 ・Magic Number 7±2と短期記憶の限界と情報理論 ・記憶の限界を克服する様々な記憶戦略 5)素朴概念、生活的概念と科学概念、そして両者の関係 ◎「Magic Number 7±2」、「ビット」「バイト」「ワード」「パケット」について心理学事典、情報理論に関する事典で調べておくこと ◎教科書p.80-82を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 6/13① |
10 | 学習の諸相(3) | 6)素朴概念、生活的概念を科学的概念に高める教授法、ゆさぶりと仮説実験授業 ◎教科書第p.120-123を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 6/20① |
11 | 学習の諸相(4) | 7)集団学習と個別学習(1) ①2つの集団学習 ―一斉授業とグループ学習― ②集団学習の効用と限界 ③個別学習の効用と限界 ④学習団における進度の速い児童・生徒と遅い児童・生徒の位置付け ◎教科書p.113-120を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 6/27① |
12 | 学習の諸相(5) | 7)集団学習と個別学習(2) ⑤適性処遇交互作用とその問題点 ⑥集団学習と個別学習の使い分けと関係 ◎統計学事典あるいは統計学の教科書で「交互作用」とは何か調べておくと。教科書p.77-79を読了しておくこと ◎測定について考察するためのレポート課題を課す。 | 荒尾 貞一 | 7/4① |
13 | 教育測定 | 1)測定とは何か 2)尺度論 ―比例尺度、間隔尺度、順序(順位)尺度、名義尺度― 3)学力テストはいかなる尺度か ◎統計学の教科書や事典、あるいは心理学事典で比例尺度、間隔尺度、順序(順位)尺度、名義尺度について調べておくこと ◎「学力テストはいかなる尺度か」についてレポートを課す。 | 荒尾 貞一 | 7/11① |
14 | 教育評価(1) | 1)評価とは何か 2)教育評価の定義と目的 3)教師の側から見た教育評価と児童・生徒の側から見た教育評価 ―教育評価は自己評価― ◎教科書p.151-175を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 7/18① |
15 | 教育評価(2) | 4)相対評価とその問題点 5)絶対評価の効用とその問題点 6)個人内評価とその問題点 ◎教科書p.151-175を読了しておくこと | 荒尾 貞一 | 7/25① |
1.教育を心理学側面から理解する。
2.学習に関する基礎的概念を獲得し、人間の学習の特質について理解する。
3.青年期の学習の意義や問題点を理解し、考察する。
4.障害者教育と特別支援教育の必要性、意義および発達障害の基礎概念と対処を理解する。
5.教育測定、教育評価に関する基礎的概念を獲得し、その視点から教育問題を考える。
レポートや宿題の提出状況、指名や挙手による発表内容等の受講状況と学期末試験の成績を総合して評価する。受講状況の評点30%、学期末試験の成績70%の比率で成績評価に用いる。
各回講義事項末尾に記した読了課題や調査・レポート課題は、講義に出席するための予習や復習課題となっているので、それらを確実に実行すること。調査・レポート課題については、講義でも知らせる。
教科書を必ず購入すること。
教育心理学で取り扱う内容は広範囲にわたる。教育問題ばかりではなく、広く社会問題まで関心を広げるように努力されたい。いかなる知識を要求し、試験にどのような設問を出題するかについては出題予定問題集を配布して周知する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 中学・高校教師になるための教育心理学 第3版 | 心理科学研究会編 | 有斐閣 |
参考書 | 教育小六法 | 市川須美子 等編 | 学陽書房 |
参考書 | 心理用語の基礎知識 | 東洋 編 | 有斐閣 |
参考書 | 新・心理学の基礎知識 | 中島義明・箱田裕司・繁桝算男 編 | 有斐閣 |